愛と勇気とチェリーパイ(5人)

愛と勇気とチェリーパイ #14 上

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今日は晴れやかな一日。

陽ざしはぽかぽか。

休みの日ってのは、こういうのがいいよね?

そして、温かな陽ざしの先には可愛いカフェ……。

あたしはそっとドアを開ける。

今日は午前中からここに来れるなんて♪

日々の雑務・残業で疲れた体を癒してくれるのは、やっぱりここ!

「こんにちは~。」

中に入ってちょっとびっくり。

だって、MJが赤ちゃん抱っこしてるんだもん。

しかも、これ以上ない極上の甘~い顔で!

小さな手がMJの頬を撫でてる~!

可愛い~!

「いらっしゃい!今日はどっちの席?」

出迎えてくれたのはニノちゃん。

「ん~、ランチは忙しいでしょ?カウンターにするね。」

あたしはMJから目を離さずにカウンターに向かう。

「ね、あの子、まさか……。」

ニノちゃんが、ニッと笑う。

「その……まさか!」

「うっそ!MJって子供いるの~!?」

た、確かに、子供がいてもおかしくない風格?

みたいなのが最近出てるな~とは思ってたけど!

でも、あのイケメンをものにする人がいたなんて!

あ~、それより何より、あたしの妄想が~。

あたしは力なく、ドサッと椅子に腰掛ける。

「あははは。んなわけないじゃん。お客さんの子供……。

 あ、赤ちゃんもお客さんかぁ!」

ニノちゃんが、あたしを見て楽しそうに笑う。

だ、だってね、ここに来て妄想することだけが、

あたしに生きる活力を与えてくれるんだよ!

なのに、その一人が結婚なんて~!!って思うじゃない?

「俺、ちょっと行ってくる!赤ちゃん、可愛い♪」

アイバ君がいそいそとカウンターから出てくる。

満面の笑み。

アイバ君、子供とか好きそうだもんね。

あたしとニノちゃんが顔を見合わせてクスッと笑う。

目で追うと、MJの隣に行って、赤ちゃんを奪ってる。

赤ちゃんは……。

あはは。

泣き出した!

アイバ君、残念!

赤ちゃんはMJがお好みらしい!

「ニノ!ニノ来て!」

アイバ君に呼ばれて、ニノちゃんがめんどくさそうな顔をしながら、アイバ君のとこに行く。

ニノちゃんは……子供、苦手そう!

案の定、泣く子は苦手みたいで、

アイバ君から受け取った赤ちゃんは、全く止む素振りがなく泣き続ける。

アイバ君……自分だけ泣かれるのが嫌だったんでしょう?

そんな光景も微笑ましくって、クスクス笑っちゃう。

「ショウさん、来て!お客さんが呼んでる!」

ニノちゃんはそう言って、ショウ君を呼ぶ。

お客さんって……赤ちゃんのことだよね?

二人とも、仲間を増やしたいのね。

ショウ君はツカツカとそのテーブルに行くと、慣れた手つきで赤ちゃんを抱っこする。

あ……泣き止んだ?

すごい!さすがショウ君!

と思ったら、一際高く大泣き!

「何?どちたんでちゅか~?お兄ちゃん達が怖かったんでちゅか?」

ショウ君の赤ちゃん言葉!

笑えると言うより……プレイにしか見えない……。

店長とそんなプレイもしてらっしゃる?

そんなプレイじゃやっぱり泣き止まない赤ちゃん。

いやいや、プレイじゃないよね?

ごめんね。ショウ君!

それを腕を組んで、ずっと見ていたMJが勝ち誇ったように笑う。

「あはははは。ほら、貸して。」

MJが得意げに抱っこするけど、

一度火が付いた赤ちゃんはそうそう簡単には泣き止んでくれない。

「え?あれ?どちたの~?俺がわかんないのかな?

 さっきはニコニコしてたじゃない?」

MJが赤ちゃんに顔を近づけると、赤ちゃんはさらに大泣き!

見かねた赤ちゃんのパパ……かな?

が、赤ちゃんを抱き上げる。

体を揺すって赤ちゃんをあやす姿はさすが!

しかも、このパパ、相当なイケメン!

最近はイクメンって言うんでしょ?

赤ちゃんと一緒にお出掛けできるなんて相当!

赤ちゃんもやっとこっちに顔を向けてくれた。

女の子かな?

ギュッとパパを掴んだ小さな手。

か、可愛い~。

柔らかそうなプニプニのほっぺ。

落ちちゃいそうだよね。

涙をいっぱい溜めた目も大きくて。

これは確実に美人になる!

今みたいに、大きくなったら、次から次に男を翻弄するね!

パパが泣き止まない赤ちゃんを抱いたまま、立ち上がったら、

ドアが開いて、お客さんが入って来る。

これまたイケメン!

イケメンの店にはイケメンが集まるのね~。

眼福、眼福!

いつの間にかパパの肩にもたれてじっとしだす赤ちゃん。

やっぱりパパは安心するんだね。

赤ちゃん騒動がおさまって、イケメン達が持ち場に戻って行く。

「あ、ごめん!お冷も出してない?」

ショウ君があたしに気づいて、急いでお冷を持ってくる。

「いいよ、いいよ。」

あたしが笑って言うと、ショウ君が申し訳なさそうに、あたしの前にお冷を置く。

「今日は何にする?」

「今日のケーキは何?」

「今日はね~。」

アイバ君がカウンターから顔を出す。

「ショウちゃんが大好きなやつ。」

「大好き?」

あたしが首を捻ると、アイバ君がクスクス笑う。

「店長が大好きだと思ってたのに……実は違ったってやつ!」

「マサキ、お前なぁ~。」

ショウ君がアイバ君を睨む。

「え?何、それ、どういう意味?」

「だからね。店長が大好きだと思って、自分も大好きって言ってたのに、

 実は店長はもっと好きなのがあったの!」

「あはは。そういうことか!」

「ち、違うからな!俺は俺で、大好きなんだよ。

 店長とか関係なく……。」

「本当に関係ないの~?」

アイバ君がいやらしい目で笑う。

「か、関係ないよ!」

ショウ君は不機嫌そうに行ってしまう。

あたしとアイバ君はそんなショウ君の背中を見て、クスクス笑う。

「で、何なの?」

「今日はプリン・ア・ラ・モード。」

後ろから、フランス語チックな発音が響いて、振り返るとMJが立っている。

ゴージャスなイケメンは、赤ちゃんに泣かれてもイケメン!

「じゃ、それとコーヒーで。」

あたしが言うと、MJがカウンターに入って行く。

あ、アイバ君に何か耳打ちした……。

アイバ君がMJの脇腹を叩いてクスクス笑う。

何よ~。

誰が見てるかわからないんだよ?

そんなイチャイチャしないで~!

いや、もっとして~!!

アイバ君がコーヒーの準備をしだして、MJが奥に消えると、

さっきの赤ちゃん騒動がうそのように、穏やかで静かな空気が流れだす。

チラッと後ろを見ると、男の人二人と赤ちゃんが、幸せそうにプリンを食べてる。

後から入って来た男の人は二人の連れだったんだ。

MJのケーキは幸せな家族をさらに幸せにしてくれるから!










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