「ふたりのカタチ」
ふたりのカタチ(やま)【61~80】

ふたりのカタチ (79)

 ←CARNIVAL NIGHT Part2 #22 - season 文化祭編 - →CARNIVAL NIGHT Part2 #23 - season 文化祭編 -


エレベーターが、ショウ君のオフィスの階に着いて、

おいらとウッチーが並んで下りる。

「まだだったら、取りあえず帰るか?それとも飯でも食いに行く?」

ウッチーがオフィスのドアを開けながら聞く。

「ん~、今日は帰るね。ウッチーと懐かしい話もしたいけど、

 ショウ君が頑張ってるから、お家でご飯作って待ってる。」

「そっか~?俺と飲んだら楽しいぞ~。」

ウッチーが笑顔でおいらを先に入れてくれる。

「でも、あいつも頑張ってるから、今日は止めとくか?」

「うん。」

おいらが見上げると、思い出したようにウッチーが笑い出す。

「どうしたの?」

「いや、俺ね……、この間昔の物整理してたら……、

 出て来たんだよ。」

「何が?」

「……ポストカードと写真数枚!」

「……ポストカード……まさか……。」

おいらは、ハッとしてウッチーを見上げる。

「んくくくっ。そう、あの時の!」

「あ~、ウッチー!捨てて!抹消して!」

「どうしよっかなぁ。あれは俺の青春の1ページだしなぁ。」

「ウッチー、全然関係ないじゃん!てか、ウッチー、アレ買ったの?」

「買った買った!結構いっぱい買ったんだよ?

 二宮のクラスに感謝されるくらい。」

「マジ!?」

「まぁ……ほんの2枚だけど。」

「ウッチ~。」

「でも、水着の写真も持ってるぞ。」

「水着っ!」

おいらが顔を赤くすると、楽しそうに笑いながら、

背中を押して、ショウ君の方へ連れて行ってくれる。

「ね、それ捨てない?」

おいらは周りを見回して、小さな声で言う。

みんな仕事中だもんね。

「んふふっ。捨てよっかなぁ、どうしよっかなぁ?」

「ウッチー、意地悪っ!」

おいらが睨むと、ウッチーがおいらの鼻を弾く。

「そんな顔しても可愛いだけですから!」

「ウッチ~。」

二人でショウ君のとこに行くと、憮然とした顔のショウ君が腕を組んでこっちを見てる。

「ショウ君……まだ終わらない?」

「まだ……だけど、何、二人で仲良さそうに……。」

口を尖らすショウ君、可愛い!

「俺ら、仲いいもんね?」

ウッチーがわざとおいらの肩を抱く。

すかさずショウ君がウッチーの手を払い退ける。

「はぁ~?何してくれちゃってんのかな?

 内山、お前、サトシに触り過ぎじゃね?」

「そんなことないよなぁ?サトシ?」

そう言いながら、おいらの頭をポンポンと撫でる。

ショウ君はその手もパシッと叩く。

「そんなことないけど……。」

ウッチー、写真捨ててくれないし……。

は、恥ずかしい……。

おいらは足元を見つめる。

ショウ君見てると……思い出しちゃう!

「な、何かされたのか?」

ショウ君の顔色が変わる。

「されてないけど……。」

写真、持ってるんだよ~、ショウ君!

「う・ち・や・まぁ~!」

ショウ君の目が三角になってウッチーを睨む。

「な、何もしてねぇよ!」

「じゃ、なんでサトシがこんな顔してるんだよっ!」

「それは……。」

「こんなに頬染めてはにかんで、俺から視線を逸らすなんて……。」

ショウ君がワナワナと震え出す。

あ、まずい!ショウ君勘違いしてる!

「落ち着け!櫻井!何もしてないから!」

「そ、そうだよ。ショウ君!何もないから!……信じられない?」

おいらがショウ君を見つめると、ショウ君の顔が困ったような顔に変わる。

「それより、さっきの電話の……大丈夫だった?」

ハッとしたショウ君が、我に返って眉間に皺を寄せる。

「後、もうちょっと……、目ぼしがつかない。

 今、佐々木が電話してるのが、上手く納期ずらせれば……。」

ショウ君が佐々木さんを見つめる。

佐々木さんはカレンダーとにらめっこしながら、何度もうなずく。

おいら達が見つめてるのを感じて、そっと親指と人差し指で丸を作る。

「おぉーっ。」

思わず声が出たショウ君は自分の口を押える。

それを見ていた岡林さんがクスクス笑う。

「後はなんとかなりますから。」

岡林さんがニコッと笑う。

「10分だけですよ。仕事はまだ終わってないんですから!」

「岡林!サンキュ!」

ショウ君は、ウッチーから奪うようにおいらの肩を抱く。

「ショウ君?」

「ごめん、一緒に帰れないけど。」

ショウ君は大股で歩き出す。

後ろの方でウッチーの笑い声がする。

「櫻井のチームは櫻井に甘すぎる!」

チラッと振り返ると、腕を組んで、小さく手を振るウッチーと目が合う。

「ここは職場だからな!気を付けろよ!」

ウッチーの通る声が、オフィス中に響きわたる。

「ば、ばか、ウッチー!」

小さな声でつぶやいて見上げると、ショウ君がニッと笑った。

「ショ、ショウ君?」

ショウ君はズンズンと歩いて、会議室3とプレートのかかった部屋に入って行く。

おいらを押し込んで、背中でドアを閉めると、おいらをギュッと抱きしめた。

「ショウ君……。」

おいらもそっと、ショウ君の背中に腕を回す。

「サトシ、充電……。」

さらに力を込めておいらを抱きしめる。

おいらも力を込めてショウ君を抱きしめる。

仕事頑張ってるショウ君の疲れが取れますように……。

しばらくそのまま動かないでいたら、ショウ君が体を引いて、にっこり笑う。

……イケメン。

その大きな目も、綺麗な鼻の形も、ぷっくりした色っぽい唇も……。

その唇がおいらに近づいてくる。

「ショ…ウ……君?」

唇が重なって、すぐに舌が絡めとられる。

「はぁ……。」

「気を付けて……、ここ、パーテーションで仕切られてるだけだから……。」

唇を離さないようにキスが繰り返される。

でも、夢中になってくると、そうもいかなくて……。

ピチュッと音がしてビクッとする。

ダメ!すぐ隣で仕事してる人達がいるんだから!










関連記事
スポンサーサイト



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ 3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ 3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ 3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ 3kaku_s_L.png Love so sweet
総もくじ 3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ 3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ 3kaku_s_L.png season
総もくじ 3kaku_s_L.png 夏の名前
総もくじ 3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ 3kaku_s_L.png Deepな冒険
総もくじ 3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ 3kaku_s_L.png WONDER-LOVE
総もくじ 3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
総もくじ  3kaku_s_L.png a Day in Our Life
総もくじ  3kaku_s_L.png Kissからはじめよう
総もくじ  3kaku_s_L.png Step and Go
総もくじ  3kaku_s_L.png 果てない空
総もくじ  3kaku_s_L.png Love so sweet
総もくじ  3kaku_s_L.png タイムカプセル
総もくじ  3kaku_s_L.png Hello Goodbye
総もくじ  3kaku_s_L.png season
もくじ  3kaku_s_L.png 五里霧中(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png 夏の名前
もくじ  3kaku_s_L.png Troublemaker(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png Crazy Moon(5人)
総もくじ  3kaku_s_L.png Welcome to our party
総もくじ  3kaku_s_L.png Deepな冒険
もくじ  3kaku_s_L.png 花火(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png miyabi-night(5人)
もくじ  3kaku_s_L.png ZERO-G
もくじ  3kaku_s_L.png 復活LOVE(やま)
総もくじ  3kaku_s_L.png 三日月
総もくじ  3kaku_s_L.png WONDER-LOVE
総もくじ  3kaku_s_L.png みんなと作ったお話
もくじ  3kaku_s_L.png Believe
もくじ  3kaku_s_L.png コスモス
もくじ  3kaku_s_L.png MONSTER(やま)
もくじ  3kaku_s_L.png 智君BD
もくじ  3kaku_s_L.png ブログ
もくじ  3kaku_s_L.png ティータイム
【CARNIVAL NIGHT Part2 #22 - season 文化祭編 -】へ  【CARNIVAL NIGHT Part2 #23 - season 文化祭編 -】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit
  • 【CARNIVAL NIGHT Part2 #22 - season 文化祭編 -】へ
  • 【CARNIVAL NIGHT Part2 #23 - season 文化祭編 -】へ