ナイスな心意気(5人)

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フンッと顔をサトシから逸らして、マサキにピトッと寄り添う。

それを見ていたカズナリが、クックと笑う。

「本当に二人は見てて飽きない。」

首を上下に揺らして笑うカズナリを、マサキがグッと抑える。

「こら、動くな。もうちょっとで撮れるから。」

そういうマサキの手の上で、微動だにしないジュンは、偉人の彫刻みたい。

そこまで動かないでいられるの、俺、尊敬するよ。

ジュンの目だけがギョロッと動く。

ゾクッとする。

目力、尋常じゃないんだから!

気を付けてよ!

カズナリを抑え、なんとか箱の中にみんな収まって、

マサキがニッと笑う。

俺はやっぱり箱が気になって……鼻先を伸ばしたら、マサキがそれをペシッと叩く。

「動くなって!」

だって、マサキ~、気になっちゃうよ、どうしたって!

「ほら、みんなもうちょっと近づいて。」

マサキがカズナリに顔を近づける。

ジュンの乗った手もカズナリに近づけ、俺にも近づけと顎で合図する。

しょうがないなぁ。

マサキに顔を近づけたら、マサキの髪が鼻先を掠めて……。

「クシュッ。」

くしゃみをしたら、びっくりしたジュンが飛んで、カズナリが羽をバタつかせ、

マサキまで後ろに飛び退いた。

え?俺のくしゃみ、そんな破壊力?

きょろきょろみんなを見回すと、マサキが楽しそうに笑い出した。

カズナリもケラケラと笑う。

ジュンはゆっくりニヤッと笑って、サトシはお腹を抱えて笑い始めた。

「な、なんだよ、そんなにおかしいかよ!」

「だ、だって、ショウちゃん!ここぞって時に……

 んふふふ、あははは。ダメ、笑いが止まんない!」

そう言って、サトシは笑いながら上から飛び降りる。

スタッと床に足を着き、俺の方にやってくる。

「く、くんなよ。」

「やだ。ショウちゃんが面白いから。」

「く、くんな!」

俺がサトシを噛む真似をしても、サトシは全然怖がる素振りもなくて……。

尻尾を揺らして、俺を煽る。

「サ、サトシ!」

俺がサトシに飛びかかると、サトシはヒラリとかわして、俺を見る。

「サトシ“君”だろ!」

「うるさい!」

俺はサトシを追いかける。

サトシは俺が捕まえる寸前でスルッと逃げる。

あっちへこっちへ、逃げるサトシ。

追う俺。

「こらっ!サトシ!ショウ!」

マサキの声は聞こえてるけど、止まることなんかできない。

「サトシ、逃げろ~!ショウちゃん、頑張れっ!」

カズナリの声援はソファーの背もたれの上から。

「サトシ~っ!」

ジュンがテレビの陰から飛び出した。

びっくりして急ブレーキをかけるサトシ。

それにぶつかる俺。

俺に押されて、サトシがジュンを踏む。

「ふぎゃっ。」

ジュンが変な声を出して、飛び上がる。

「ご、ごめん、ジュン!」

飛び上がったジュンを追うサトシ。

何がどうしたのか、グルグルと周り始めるジュン。

面白がってやってくるカズナリ。

「あ~、もうダメだ~。」

マサキの嘆きの声も、やっぱり俺らには聞こえなくて……。

リビング中で大運動会が始まる。

「お、お前ら~!いい加減にしろよっ!」

マサキが大きな声を出したけど、

やっぱり俺らには届かず……。

マサキは大きな溜め息をついて、ソファーに深く腰掛けた。



気付いたら……。

疲れた俺らは床の上で横になってた。

寝そべった俺のお腹の辺りでサトシも横になり、

そのサトシのお腹の辺りでジュンがじっと目をつぶっている。

カズナリは……。

ああ、俺の頭の所で、首を傾げてみんなを見てる。

クゥ~ンと小さく鳴くと、マサキがシッと口に指を当てる。

「ちょっと待って。今ベストショット!」

マサキがそっとみんなの帽子とマントを直す。

俺の帽子とマントも直して、最後に箒を持ってきて、俺らの足にくぐらせる。

カズナリにもっとサトシに近づくよう指示を出し、

賢いカズナリは、仕方なさそうにサトシの頭の辺りに立つ。

「よし……。いい写真、撮れた~。」

満面の笑みのマサキ。

コチョコチョと携帯を弄って、ニコッと笑う。

「みんな、可愛いなぁ。」

マサキが満足そうに昼寝中の俺らを眺めていると、

ブルッと携帯が震える。

「お、返って来た!」

携帯を開いて楽しそうに笑う。

「ほら、ショウ。人間のサトシが、

 『この可愛い魔女達は夢の世界に連れてってくれるの?』って。」

マサキが嬉しそうで、俺も嬉しくなる。

「この写真、俺の待ち受けにするから。」

俺はマサキの袖を引っ張る。

「ん?どうした?」

それでもグッと引っ張って、俺の後ろに鼻先を押し付ける。

「ああ、そういうこと?」

マサキは優しい顔で笑って、俺の後ろに寝転がる。

そして、あの棒を長く長くして、

俺ら、4匹と一人を箱の中に閉じ込める。

パシャッと音がして、携帯を見て、満足そうなマサキ。

「前言撤回。俺、待ち受けはこっちにする。」

そう言って、俺の顔を見てニコッと笑った。

サトシの分も……ペットの役目、果たせたかな?

マサキが俺の背中に抱き着いて、

一人と四匹で昼寝を続ける。

きっと、見る夢はみんな同じ……。

10月最後の日……。

HAPPY Halloween!










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