Attack it ~ババ嵐~

Attack it  第二ラウンド

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「え……あれ……、何のことかさっぱり……。」

知念の言葉を櫻井が受け入れるわけもなく、凝視された知念が小さな声で言う。

「今日のBABA嵐……最弱王になったら……大野さんとデートする権利が……。」

「デート?それは智君がOKしなきゃダメなんじゃないの?」

「で、でも……誘うのもこんなにいっぱいじゃ……。

 だから、蔵ノ介さんの提案で、そういうことになって……。」

「蔵ノ介さん……。」

侮れない、佐々木蔵ノ介。

酔った智君に寄りかかられただけでは飽き足らず、

デートにまで誘おうとしているとは……。

しかも、他のライバルを寄せ付けないよう、念を入れての作戦……。

櫻井は端の方で、面白そうにモニターに見入る佐々木に目を向ける。

櫻井の視線に気づいたのか、柔和な笑顔を反す佐々木。

だが、二人の視線は知念の目の前でバチバチと火花を散らす。

見えるわけのない火花が見え、びっくりした知念が背中を仰け反る。

ナレーションがジョーカーが動いたことを知らせると、佐々木に話が振られる。

佐々木の視線がモニターに戻り、京訛りのしゃべりで笑いを誘う。

櫻井も知念に視線を戻し、矢継ぎ早に質問する。

「だけど、それじゃ、テレビ的にはいろいろ問題があるんじゃないの?

 抜け駆けだってあるだろうし……。

 第一、智君がOKするわけないのに……。」

「それは……。」

知念はチラッと周りを見回して、櫻井の耳に口を寄せる。

「みんな演技する人ですから……。

 ジョーカーを引いて、嬉しくても悔しがるくらいはできるだろうって。」

「それも蔵ノ介さん?」

「はい……。ずるしたら、即刻権利はく奪。抜け駆けなんてもってのほか。

 智君の返事は……神頼みですが、スケジュールはわかってるみたいです。」

「スケジュール?」

「はい……。10月16日は空いてるって。だから、OK貰える確率は高いって。」

「そこまで調べてるのか……。」

櫻井の眉間に皺が寄る。

「あ、スケジュールは、岡田君です。」

「岡田君?」

「はい……。ジークンドーの予約確認で聞いたみたいで……。」

「……。」

一緒に組んずほぐれつするだけで十分じゃないのか。

何を贅沢言ってるんだ、岡田君!

「なるほど……。負ければいいんだな?」

「はい……?」

「俺が負ければ、智君の休日は俺のものってことだよな?」

「いや……これは、ゲストの中で決まったことで……。」

「俺も参加する!参加して、智君の休日、ゲットする!」

「そんなこと、俺に言われても……。」

知念はチラチラと佐々木を見やる。

佐々木は知念を気にする風もなく、モニターに集中している。

「最弱王になることが条件なんだろ?

 俺が最弱王になれば、少なくとも、ゲストが智君を誘うことはできないわけだな……。」

「ま、まぁ、そうなりますけど……。」

知念は困ったように眉を下げる。

「ふんっ。負けるのなんて簡単な話……。」

「……そうでしょうか?」

知念が意外にも力強い声で櫻井に言い返す。

「みんながジョーカーを引きたがってるんです。そう簡単には渡しません。」

「なにぃ~?お前、先輩に……。」

「先輩も後輩もありません。それで言うなら、松岡君も参加してるんです。

 櫻井さん、松岡君にジョーカー渡します?」

櫻井は、ブンブンと首を横に振る。

「なら、俺も同じです。大野さんを掛けて、真剣勝負です!」

「ふんっ、望むところだ。」

櫻井と知念の視線がぶつかる。

二人は大きく顔を振って、モニター画面に視線を戻す。

画面では、嬉しそうに2枚のカードを握り締める大野の姿が映っている。

櫻井は隣の二宮に顔を寄せる。

「今、どうなってる?」

「ジョーカーは大野さんから、旬君が取って、さらに小瀧が取ったところです。

 この分なら、大野さんは大丈夫そうですね。」

「小瀧か……。」

一緒に共演できただけでもラッキーなのに……。

さらに、二十歳のお祝いも飲みに行くんだろ?

それ以上、何を望むって言うんだ!

高望みにもほどがある!

モニターでは、藤原が小瀧のカードを引こうとしている。

小瀧のカードは4枚。

藤原は、小瀧のカードを触っては小瀧の反応を窺う。

小瀧の視線が泳ぐ。

すかさず、藤原がカードを選ぶ。

チッと小さく舌打ちする小瀧。

ポーカーフェイスを崩さず、カードを手の中に入れる藤原。

「まだまだ甘いな。」

小さな声でつぶやく藤原のしたり顔が、一瞬画面に映る。

「変なんですよね……。いや、俳優だから演技なのかなとも思ったんですけど、

 小瀧まで、ジョーカー引かれて残念そうなのは……。」

さすがニノ。

ここはニノも仲間に入れて……。

櫻井は二宮の耳に手を当てて、ごにょごにょと耳打ちする。

「はぁん、なるほどね?」

二宮が何度もうなずいて、モニターを見る。

ジョーカーを持っていると言うのに、勝ち誇ったような藤原と、

手持ちを見て、焦る小栗と小瀧。

「わかりました。私も参加します。」

「じゃ、三回戦はニノが負けるとして……。」

「もちろん、私が最弱王になったら、大野さんの休日は頂きますよ?」

「え……?」

「当たり前でしょ?権利は平等にないと!」

「ええ~っ。だって、俺と智君は……。」

「だからなんだって言うんです?あなた達が付き合ってたら、

 私と大野さんは二人で出掛けちゃいけないって言うんですか?」

「そ、そうは言わないけど。」

「じゃ、決まり。そういうことで。」

二宮が、ふふんっと鼻歌混じりで笑う。

「何が決まりなの~?」

二人の耳打ちが気になっていた相葉が割って入る。

「いや、なんでもない……。」

敵を増やしてどうする。

櫻井は、相葉に向かって前を向けと手で指図する。

「ちぇっ。内緒話はいけないんだぞ。」

睨みを利かせて、前を向けと指図する櫻井に、相葉は頬を膨らませながら前を向く。

ダメだ。メンバーですら敵になるとは……。

櫻井はギリッと奥歯を噛みしめる。

藤原のジョーカーに大野が手を掛けると、きゃぁ~っと悲鳴のような歓声が起こる。

モニターの中の大野は、そんな歓声など聞こえるわけもなく、

スッとそれを抜き取った。










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