Attack it ~ババ嵐~

Attack it  第一ラウンド

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「はい、やって参りました、BABA嵐。半年ぶりですかね?」

櫻井は横一線に並ぶメンバーの顔を見渡す。

「そうですねぇ、半年ぶりくらいですか!」

二宮はニヤニヤと笑いながら櫻井を見返す。

「半年!結構経ってるんだね~。」

最弱王の、白いジャケットを着た相葉は、心配そうに櫻井を見る。

「今回は相葉さん、最弱からは脱却してよ?」

松本もカメラを意識しながら、チラチラと櫻井の様子を伺う。

櫻井はにこやかな笑みを浮かべ、大野を見つめる。

「大野さん、今日の調子はどうですか?」

「……最悪。」

大野は苦虫を噛み潰したような顔で、最後に口を尖らせた。



オープニングトークを取り終えた5人は、並んで楽屋に戻る。

先を歩く櫻井と大野に遅れて、3人が顔を寄せ合う。

「今回のキャスティング、誰がやったの?」

相葉が小声で二宮に聞く。

「さぁ?でも悪意があるとしか思えない。」

そう言いながら、二宮は面白そうにクスクス笑う。

「悪意って、誰に?翔ちゃん?」

「決まってるでしょ!」

二宮がカッカッカと高らかに笑う。

「それを言うなら、大野さんにとっても、相当悪意あるんじゃないの?」

松本が二宮の隣で、声をひそめる。

「そりゃ、まぁ、そうですね?」

二宮はおかしくてたまらないと言いたげに、口の端を引きつらせる。

「そこまで笑う?」

相葉が呆れて二宮を見る。

「こんなこと、滅多にないんだから、楽しまないと。」

「そりゃ、こんなのがいつもだったら、リーダー、本当に辞めちゃうよ。」

相葉は憐れむように、前を歩く大野の背中を見つめる。



「ねぇ、智君?」

「ん?」

「今日はカメラが回っていなくても、俺から離れないようにね。」

「……どうして?」

「そりゃそうでしょ、今日のメンツ……。」

大野は今日のゲストを思い起こす。

どうしてこんなゲストになったのか。

新番組とか映画とか……いろいろ重なったんだろうけど。

「……はぁ。」

大きな溜め息をついて、櫻井を見上げる。

このメンバーと翔君かぁ……。

大野は再度溜め息をつき、足元を見ながら歩き続ける。

「智君……。」

櫻井はそんな大野の肩に手を回す

「心配しなくても大丈夫。俺がいるから。」

それが一番心配なんだよ……。

そうとは言えず、大野はチラッと櫻井を見上げる。

櫻井は鼻息も荒く、気合を入れるように、大きくうなずく。



「予選、第一試合……。」

ナレーションの声と共に、第一試合のメンバーが試合会場に現れる。

白黒市松模様の三角の部屋。

端の小さなドアから参加者が次々に入って来る。

まず入って来たのは藤原竜也。

続いて、大野智、小栗旬、小瀧望。

奥から順にテーブルについていく。

ワイプに映る櫻井の顏は険しい。

隣で見守る相葉が、急いで櫻井の膝を叩く。

「翔ちゃん、カメラカメラ。」

櫻井はハッと気づいて、顔を作る。

ヤバイ……気を付けないと、とんでもない阿修羅の顔がお茶の間に……。

櫻井は顎に手をやるフリをして、指で頬を持ち上げる。

「どうでしょう、このメンバーは。櫻井さん?」

ナレーションが櫻井に意見を求める。

櫻井は営業用のアイドルスマイルで、にこやかに答える。

「そうですね、このメンバーだと藤原竜也君が有利かもしれませんね。」

「いやぁ、でも旬君もやる気満々じゃないかな?」

二宮がニヤッと笑う。

何をやる気なんだよっ!

櫻井はアイドルスマイルを崩さず、二宮を一瞥する。

「それでいったら、小瀧もさぁ、メールのやり取りしてるしぃ。」

相葉も真剣に口を挟む。

だから、何の話だよ!

櫻井の顔がどんどん強張って行く。

「ま、大野さん次第ってとこかな?」

松本がニヤッと片眉を上げて笑う。

だから、智君は俺のって決まってるから!

櫻井の心の声が、顔に出たのか、どう見てもアイドルとは言えない形相に変わっていく。

「ほら、ほら、カメラカメラ。」

楽しそうに二宮がカメラを指さす。

いつ、ワイプで抜かれるかわからない。

ここは気を引き締めて……。

櫻井はジャケットの前を引っ張って、背筋を伸ばす。

ナレーターがゲスト数名に意見を聞いた後、最後に櫻井に話を振る。

「櫻井さん、ここはやっぱり俳優陣の演技が楽しみですね。」

「そうですね。でも、嵐が決勝に残るわけにいかないので、

 ここは大野さんに頑張ってもらわないと……。」

そうだよ、智君!

これ以上、あなたが好きだと宣言する人達を、

あなたに近づけるわけには行かないからね!

ガンバッ!

櫻井が大きくガッツポーズをして見せる。

その姿はもちろん、大野に見えるわけではなく……。

モニターに、不安そうにお茶を飲む大野の姿が映る。



「では、始まります。」

ピーっと開始の合図が鳴り、カードが配られていく。

「最初にBABAを手にしたのは……。」

ナレーションが早口でまくしたてる。

「大野だ。」

大野の手は、ジョーカーを中央に置きながら、カードをゆっくり並べ変えていく。

口を尖らせ、瞬きが減る。

「大野さん?」

藤原が声を掛けると、ぎこちない笑顔を見せる。

それを見て、ニコッと笑顔を反すと、

藤原はポーカーフェイスを作り、小瀧のカードを抜いて行く。

「小瀧君は……共演してからの付き合いなんだよね?」

「あ……大野さんすか?そうですけど……。」

「じゃ、新参者だね……。」

小栗が小瀧にカードを向けながら不敵に笑う。

「こういうのに、新参者とか、関係あるんすか?」

カードを取りながら、小瀧が不満そうに眉をしかめる。

「あるでしょ?そういうの、大事じゃないの?」

小栗は大野に向き直ると、にっこり笑ってカードを見つめる。

大野は何もしゃべらず、口を尖らせ、ただカードをじっと見つめる。

「リーダーのカード、どれ取って欲しい?」

「……どれでも……。」

「どれでもいいんだ?」

「これって言ったら、それ取ってくれるの?」

「取ってあげるよ。」

小栗が優しく笑う。

「ちょっと待った!約束……忘れてないよね?」

藤原の声が、二人の動きを止める。

「約束?」

大野は首を捻るが、小栗はにっこり笑って答える。

「もちろん、覚えてるよ。俺は負ける気ないから。」

そう言いながら、大野の一番右端のカードを引く。

「俺だって。」

「俺も!」

試合会場の様子を見ながら、櫻井の目がキラリと光り、斜め後ろを振り返る。

「約束ってなんだ?」

櫻井のドスの利いた声に、後ろの席に座っていた知念の体がビクッと跳ねる。










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