「テ・アゲロ」
テ・アゲロ the missing (5人)

テ・アゲロ  the missing ⑦ -12-

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三人が行ってしまうと、大野はドカッと椅子に座り直し、

櫻井は大野の前に座る。

「ちょっと揺れたでしょ?」

大野は櫻井の話には返事せず、煙草を取り出す。

「なかなか、あなた好みのイケメンだったもんね。」

「うるせぇ。」

大野は櫻井を見ずに小さな声で言う。

「俺に似て。」

櫻井がクスクス笑う。

大野はトントンと煙草をテーブルにあて、葉を詰める。

「今回もグッドタイミングでしたね。」

二宮は片肘を付いて顎を乗せ、ニヤニヤしながら櫻井を見る。

「本当に。俺とhoneyはやっぱり運命なんだね。」

櫻井を無視して煙草に火を点ける大野を、櫻井はじっと見つめる。

「で……トーマって誰?」

ニヤニヤしていた二宮が、ビクッと体を震わせる。

「……トー…マ……いたの……?」

二宮はいつになく、怯えたように大野を見る。

大野はチッと舌打ちし、櫻井を睨む。

「いねぇよ。」

「でも……。」

「あのカードがあったから、いるかもしれないと、そう思っただけだよ。」

大野は口から煙を吐き出す。

「あのカード、本物?」

櫻井が聞く。

「……本物だよ。」

大野は煙草を口に咥え、めんどくさそうに答える。

「ただ……使われる予定のないカードだけどな。」

「それ、どういう意味?」

櫻井が身を乗り出す。

「現場に残されてたカードには、裏に血の跡がついていた。

 誰のものかわからない、でも、同じDNAの血……。」

「血の跡……。」

「それがねぇってことは、使われることがない……つまり、

 風磨に何かあるとは考えにくい。」

「それでも乗ったってことは……何が知りかったの?

 まさか、翔君が目当て……なんて言わないよね?」

「さぁな。そうかもな。」

大野は煙草を口に咥え、震え続ける二宮の肩を抱く。

「ニノ……大丈夫だから……。トーマはいなかった。」

「大野さん……。」

二宮が大野を見上げて、縋るように見つめる。

そこへ、相葉がチャーハンを持ってやって来る。

「お待たせ!……あれ?人数減ってる……?」

「ああ、帰った。」

「せっかくチャーハン作ったのに~。」

「あ、俺が頂きます。」

櫻井がチャーハンを一つ受け取る。

「そう?お代はちゃんともらうよ?」

「もちろん。」

櫻井はさっそくチャーハンにスプーンを入れる。

相葉は二宮と大野の前にもチャーハンを置き、

コーラとオレンジジュースもテーブルに並べる。

「え?それも?」

大野がびっくりして見上げると、相葉は不敵な笑顔で大きくうなずく。

「当然。注文されたんだから。」

「私がコーラ、飲みますよ。」

先ほどまでとは打って変わって、いつもの二宮の、ちょっと小ばかにしたような物言いに、櫻井は違和感を感じ、首を捻る。

「そう?じゃ、大野さんはオレンジジュースね。」

相葉が大野の前にオレンジジュースを置く。

「……煙草にオレンジって合わねぇんだよ~。」

「文句言わない。飲まなかったらもったいないでしょ?」

「ねぇ、相葉さん?」

櫻井はチャーハンを食べながら、相葉を見上げる。

「ん?何?」

大野がハッとして、櫻井の口に自分のチャーハンを突っ込む。

「ん……んぐっ……。」

「ほら、おいらが食べさせてやっから、な、darling。」

「うわぁ、本当にラブラブなんだね~。」

右頬を引きつらせながら、大野が笑い、

櫻井はモグモグと口を動かしながら、大野の手ごとスプーンを口から出す。

「もちろん。今度はhoneyの番。ほら、あ~んして?」

櫻井はスプーンにチャーハンを乗せると、大野の口の前に持っていく。

仕方なく口を開く大野に、ずぼっとスプーンを突っ込む。

「で、相葉さん……。」

「さ、櫻井さん!この人、最近、満足してないみたいですよ?

 ちゃんと相手してあげてくださいよ。欲求不満だと、仕事に支障が出て困ります。」

「くふふふ。そうなの?ちゃんと相手してあげなよ~。」

相葉はそう言って、カウンターに戻って行く。

「何?相葉さんには隠したいの?トーマのこと……。」

「黙れっ!」

大野の手が櫻井の顔を掴もうとする。

すかさず、櫻井は大野の手を掴んで、ぎゅっと握る。

「教えてよ……。俺じゃ信用できない?」

二宮は顔を背け、体を小さくし、それを見た大野が、ふぅと小さく息を吐く。

「トーマは……シリウス……。

 あの事件の主犯格……。

 小春の……相葉ちゃんの親友夫婦を殺した……やつだ。」

「殺したって……。でも、結局あの事件は分からずじまいのまま……。」

「そうだ。決定的な証拠は何もない……。

 でも、俺らは知ってる……。」

櫻井はじっと大野を見つめる。

大野は二宮の肩を抱き寄せ、ギュッと抱きしめる。

「トーマは……ニノの兄だ。腹違いのな。」

二宮がぎゅっと大野の服を掴む。

「それ……相葉さんは……。」

「……知ってる。

 だから、俺らはあいつを追ってる。

 この世から葬るために……。」

大野の目が鋭く光る。

櫻井の背筋をゾクッと冷たいものが落ちていく。

「これ以上、俺らに関わんな。痛い目見るぞ。」

大野は握られていた櫻井の手を離し、オレンジジュースのストローに口を付ける。

オレンジの液体が、白いストローを上って行く様を、櫻井はじっと見つめ、

何かを考えるように動きを止める。

「……まじぃ。」

そう言って大野が顔をしかめると、二宮が顔を上げる。

大野はまずそうな顔をしたまま、さらにオレンジジュースを飲み込む。

二宮はクスッと笑って、体を起こした。










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