「テ・アゲロ」
テ・アゲロ the missing (5人)

テ・アゲロ  the missing ⑦ -4-

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大野は携帯をタップして耳に当てる。

「もしもし、そっちはどうだった?」

「こっちはそれなりの収穫ですけど、そっちは?」

「おいらも……まぁぼちぼち。

 ターゲットがイケメンでよかったよ。

 女に聞けば、大抵みんな知ってる。」

大野がクスクス笑う。

「じゃ、事務所で。それとも、今読み上げましょうか?」

「ん~。面倒だから、聞いとくか。」

「友達の話だと、風磨君に付き合ってる人はいなかったみたいですけど、

 好きな人はいたようで、でも思ってはいけない相手だったらしく……。

 不倫か、友達の彼女かって話です。」

「ふぅん。でも、翔君の妹といい感じだったんだろ?」

「そう言ってましたね。妹は。でも女は思い込みが激しいから。」

「だな?」

「で、そっちは?」

大野が電話を肩に挟んで、胸ポケットから手帳を取り出す。

「ん~、……ここ数日風磨君を大学で見たやつはいなかった。」

「じゃ、やっぱ、どっかに隠れてんのかな。」

「でも……コンビニで見かけたやつがいる。」

「コンビニ?」

「そう。しかも昨日。」

「昨日?……今回は楽に片付きそうですね。」

「だといいけどな。」

「場所は?」

「ここから駅、二つくらいだから、取りあえず、行ってみるわ。

 ニノ、今どこ?」

「事務所に向かってる最中です。」

「じゃ、一人で行ってくるわ。」

「あ、後、念の為、御村聖一との関係も調べました。

 接点は見当たりませんでした。

 若いですからね~。信奉者ってわけでもないみたいです。」

「まぁ、そうだろうな。そっちは最初から無いと踏んでたから、いいよ。」

「ですね。」

「ニノさぁ、今度、オニかっこいい店員たちがいるカフェ、一緒に行かない?」

大野がクスクス笑いながら手帳をしまう。

「オニかっこいい?」

「らしい。」

「申し訳ありませんが、私、イケメンには困ってませんので。」

「相葉ちゃん似のイケメンもいるかもよ?」

「間に合ってます。」

二宮がクスッと笑う。

「そうかぁ残念。」

「櫻井さんと行けばいいじゃないですか。」

「ん~。あいつとは行く気がしねぇ。」

「なんで?」

「あいつが一緒に行ったら、次々ナンパしそうだろ?」

「いいじゃないですか。恋人じゃないんでしょ?」

「んだけど……。」

「無駄話はこの位にして、よろしくお願いしますね。」

二宮はそう言い捨てると、携帯を切った。

プツッと携帯の切れる音がして、大野も携帯をポケットにしまう。

「俺が一緒に行ってあげようか?」

後ろから声がして、振り返ろうとすると、首筋に抱き着かれる。

「うわっ。」

見ると、楽しそうに笑う松本が大野の耳元にチュッと唇を当てる。

「わっ。な、なんでここに?」

「西田さんの道場がこの近くにあんの。

 こんなとこで会うなんて、俺ら運命じゃね?」

大野は松本の顔を手で押しのけ、唇を当てられた所を擦る。

「こういうこと、すんな。」

「どうして?愛のスキンシップ。今から準備しとかないと。

 俺、すっげぇ強くなってるよ。」

「どうだか。まだ、西田に勝てないんだろ?」

「う~……そうだけど。」

松本の声が小さくなる。

「勝ってからにするんだな。その後が突っかえてる。」

んふふっと大野が笑い、松本の少し前を歩く。

松本は小走りで大野の隣に並ぶと、嬉しそうに聞く。

「何?今日は仕事?」

「まぁな。」

「俺、オフだから手伝おうか?」

松本が喜々として大野の顔を覗き込む。

「いや、大丈夫。」

「え~、手伝いたい!」

「ボスに怒られんぞ。」

「内緒にするから大丈夫。」

「あいつは地獄耳だかんな。どこで見てるかわかんねぇぞ。」

大野に言われ、思い出すように松本が斜め上に目を馳せる。

何を思い出したのか、徐々に渋くなっていく顔。

「確かに……。」

「だろ?今日は大人しく帰んな。」

「これからどこ行くの?」

「どっか。」

「俺、一緒にいると役に立つよ?」

「いいから帰れ。」

「じゃ、今度一緒に飲みに行ってくれる?」

「飲みに?気が向いたらな。」

「じゃ、気が向いてよ。」

大野はクスッと笑って、松本を見る。

「ボスに怒られても知んねぇぞ。」

「人の恋路を邪魔するやつは馬に蹴られるんだよ。

 ボスはそんな無粋なやつじゃない!」

「そうか?あいつは相当無粋だと思うぞ。昔だって……。」

大野は言い掛けて、ハッと口を噤む。

「何?何があったの?」

「知るか。とにかく、あいつは恋愛に無頓着だから。

 馬に蹴られても、蹴り返して投げ飛ばすやつだから。」

「んっはっは。確かに!」

「もっと強くなってから来な。そしたら相手してやっから。」

大野がふにゃっと笑う。

松本は、ズキッと、小さな胸の疼きを感じ、Tシャツを握り締めてうなずく。

その頬の赤さに若さを感じ、大野の顔がさらに緩む。

「俺、もっと強くなるから!大野さんよりも!」

「ふふ。」

大野は軽く手を上げ、駅の中に消えていく。

松本は今来た道を戻り始める。

「西田さん、まだいるかな?」

腕の時計で時間を確認し、走り出す。

人波を避け、走る姿に、道行く人が皆振り返った










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