「Love so sweet」
Love so sweet(やま)【61~80】

Love so sweet №69

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「ふぁあ~。」

欠伸を噛み殺しながら、お腹をポリポリ。

寝室のドアを開け、リビングに入ると、すっかり明るい。

霞む目を擦って智君を探す。

爽やかな風は窓から?

ソファーを回って窓辺に行くと、ベランダに続く窓を全開にして、智君が空を眺めてる。

「あ~、翔君、起きた?」

首を後ろに折って、俺を見上げる智君。

「おはよ。」

起き抜けの目には眩しい陽の光。

俺は智君の隣にしゃがんで、目をシバシバ。

「まだ眠い?」

「いんや……眠くないけど、目が開かない。」

右目を瞑って空を見上げる。

隣でクスクス笑う智君の笑顔は穏やかで、今度は左目を瞑って智君を見る。

「それ、まだ眠いんだよ。」

笑いながら、片足だけサンダルを脱いで、もう片方のふくらはぎをつま先で掻く。

投げ出した智君の足には無数の痣や傷。

「撮影順調?」

「まぁね。」

智君はまた空を見上げる。

「あぁ、釣り行きてぇ。」

「こんな日に行ったら日焼けするよ。」

「んふふ。今の撮影、日焼けしても大丈夫。」

「でも、半そで半パンの日焼けはまずいでしょ。」

「…………じゃ、裸でやる。」

「裸で……?」

「そしたら跡、残んないし。」

「じゃ、俺、急いで船舶免許取る。」

「……なんで?」

「そんな智君、誰にも見せられません。」

二人で顔を見合わせてクスクス笑う。

「今日、撮影は?」

俺が聞くと、つま先にサンダルをひっかけて、足だけでサンダルを履こうとする智君。

「夕方から。」

つま先が、奇妙な動きをする。

なんか……気持ち悪い動き。

「じゃ、一緒に昼、食べられるね。」

「あ~、ビール飲みたい!」

「今から?」

「今から!」

いつの間にか開いた目で智君を見つめると、智君がクシャッと笑う。

でも、いつもとちょっと違う智君の笑顔。

ちょっと精悍で、だいぶ男っぽくて。

ずっと一緒にいるのに、またドキドキする。

「翔君は?」

「ん~?」

智君の隣に腰を下ろして、同じようにベランダに足を投げ出す。

陽の光が直接降り注ぐと、かなり暑い。

慌てて足を引っ込める。

見ると、智君の足は日陰の内……。

「翔君はいつから?」

「……アリーナ終わってすぐかな?」

「そっかぁ……そしたらしばらくバラバラだ。」

「……寂しい?」

「……ぅん、寂しい。」

まだサンダル履きに挑戦中の智君。

唇も尖って、腿の筋肉が浮き上がって。

「俺も寂しい!」

両手を後ろについて、首を後ろに折る。

空が視界の半分になって、陽の光が全身に降り注ぐ。

「でも……。」

やっとサンダルの履けた智君がニコッと笑う。

「楽しみでもある……かな。」

「……何が?」

全身に陽を浴びたまま、首だけ智君に向ける。

「会えた時が……。」

「会えた時……?俺が帰って来た時ってこと?」

「うん……。おいらも撮影が終わって、翔君もリオが終わって、はぁ~って時に再会。」

「再会って!」

俺が笑うと、智君もふにゃりと笑う。

「一緒に朝からビール飲んで、釣り行って、ぼぉーっとする。」

「あはは。それでいいの?」

「うん。それがいい。」

智君が立ち上がって両手を上げる。

「ああ~っ!」

大きな欠伸と一緒に背中を伸ばす。

「体痛っ。」

腰を捻って、腿を上げる。

「マッサージしてあげようか?」

陽の中の智君が眩しくて、目を細める。

「……翔君のマッサージは……いい。」

「いいの?せっかくやってあげるって言ってるのに。」

「いい!翔君すぐ、いらないとこマッサージし始めるから。」

あははと笑って首を傾ける。

「そんな気はないんだけどさ、本能が勝手に動かしちゃうんだよね。」

自分の手を見つめて、手の感触を思い出す。

「そんな気ばっかりじゃん!」

「そんなことないよ。」

俺が片目を瞑ると、んふふと笑う智君が、俺の脇を通って、リビングに入る。

「朝ごはん……って時間じゃないけど、なんか食べよ。」

「ん……そう言われると……腹減ってる!」

俺が大げさにお腹を凹ますと、智君が笑う。

「何食べたい?」

「なんでもいい。お腹に溜まるもの。」

「何それ?十代じゃないんだから。最近、顔、丸いよ。」

「言う?それ、智君が?」

「言うよ。おいら最近、締めてるし。」

智君がフライパンを取り出す。

「俺のは幸せ太りって言うんです。」

俺は冷蔵庫を覗いて物色。

「じゃ、リオでは痩せて帰ってくるね?」

「……智君不足のストレスで食べちゃうかも。」

智君が俺の顔をじっと見る。

「それじゃ、いつまで経っても締まらないじゃん。」

「……そうかも。」

俺らは顔を見合わせて笑い合う。

一緒にいる時間が心地よくて、離れている間は切なくて。

でも、また会った時は……ホッとして、ハッとして、ギュッとなる。

それの繰り返しだもん。

俺が痩せるわけないじゃない。

「翔君、アイドルなんだから、節制!」

智君が、俺の前にドンとキャベツを置く。

「え?まさか、これだけ?」

「そ。千切りにして食べると旨いよ。」

「そんな~。」

「あはは、翔君、その顔!」

智君が俺を指さして笑う。

「いいよ、キャベツでも。その代り、智君食べちゃうから。」

「そんな時間ねぇだろ?」

「……時間は作るものです。」

俺が真顔で言うと、また笑う智君。

一緒にいられる時間は短いけど、その満ち足りた幸福感。

……この時間があるから、頑張れる。

ね?智君。










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