愛と勇気とチェリーパイ(5人)

愛と勇気とチェリーパイ #12 上

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あたしは重いドアをゆっくり開ける。

ドアを開けると、いつもの優しい笑顔があたしを迎えてくれる。

やっと来れた~。

あたしはその笑顔にホッと息をついて、いつもの、カウンターの席に向かう。

「忙しかったんですか?最近来ないから、みんなで心配してたんですよ。」

にっこり笑ったイケメン・ショウ君が、あたしの前にお冷を置く。

「そうなの~。あの、くっそ使えない課長のせいで!!」

そう言うあたしにおしぼりを差し出しながら、にっこり笑う知的な笑顔。

はぁ……やっぱりここは癒される……。

あたしはおしぼりを受け取って、椅子に座る。

そう、あたしは昨日まで、毎日10時の残業続き……。

糞使えない……あ、漢字だとさすがにお下品……。

くそ……クソ?

Ku-sso使えない課長の尻拭い……。

これなら少しはマシ?(笑)

って、ほんと使えないのよ、ほんと!

すぐ上司には「はいはい」言うくせに、自分じゃ何にもできないんだから!

「お姉さん、眉間に皺!美人が台無し。」

お皿を拭きながら、あたしに笑いかけるイケメン・アイバ君は頬の皺を大きくする。

「やだ、アイバ君、口が上手い!」

リップサービスだとわかってても、勝手に口角上がる!

ほら、そのつぶらな瞳に見つめられたら……あたしの生命エネルギー、

マッハのスピードでチャージされていく!

「今日は何?ケーキセット?」

「うん。疲れてるから、甘いものがいい~。」

あたしはアイバ君に見惚れながら、カウンターに肘を付く。

あのKu-sso使えない上司のせいで、ここに来るのも1週間ぶり。

こんなに間が空くことなんかあったかな?

「今日のオススメはケーキじゃないよ?」

いつの間にか隣に来ていたニノちゃんが、あたしの顔を覗き込んでニコッと笑う。

「ケーキじゃないの?」

「そ。今日のMJは一味違う!」

ニノちゃんがおもしろそうに笑う。

何?その意味深な笑顔!

「なんなの?今日のオススメ。」

「それは来てみてからのお楽しみがいいんじゃない?」

アイバ君が顔をクシャッとさせて笑う。

う~ん、いい笑顔!

心が洗われるよ~。

「じゃあ、それとコーヒー!アイバ君のコーヒー、飲みたかったんだぁ。」

ほんとだよ。どんなにここに来たかったか!

ああ、思い出しても腹の立つ!

あのKu-sso上司!

「お姉さん、顔、顔!」

アイバ君がそう言うと、ニノちゃんが、あたしの頬を両手で引き下げる。

いやん♪

ニノちゃんの可愛いお手てがあたしのほっぺたに!

「ほらほら、般若みたいな顔になってるよ。」

ニノちゃんがおもしろそうにあたしの頬を上下に動かす。

あ~、ニノちゃんの手にファンデーションが付いちゃう!

「ニ、ニノちゃん!」

「ほらほら、ニノ、お姉さんが困ってる。」

そう言いながら、奥から出てきたのはMJ。

はぁ……。

溜め息が出ちゃう。

ほんと、イケメン。

仕事してると、ほんとこのイケメン達に会いたくなっちゃう。

そりゃ、会社にだってイケメンと呼ばれる人はいるよ。

まぁ、会社の中ではモテるんだろうけど。

その人を見て、周りの女の子達はキャーキャー言ってるけど……。

ここを知ってるあたしから見たら!

良くて上の下?中の上?

まぁ、レベルが違うよね。

絶対ここは教えてあげないけどねっ!

「MJ、お姉さん、オススメ食べたいって。」

「あ、でも今日はちょっと寒くない?」

MJが心配そうに眉をひそめる。

「大丈夫。疲れてる時は、あのゴージャス感がいいよ。」

ニノちゃんが、ニコッと笑う。

寒い?

ゴージャス感?

「そうそう。ヘルシーだし。」

アイバちゃんもうなずきながら同意する。

なんだろ?何が出てくるの?

「じゃ、俺、作ってくる。」

MJがあたしにニコッと笑いかけながら、アイバちゃんの腰を撫でて戻って行く。

いやん♪

これこれ!

一瞬だって見逃さないよ!

アイバ君は気づかないのか、気にならないのか、全く反応することなく、

コーヒーの準備を始める。

そんなアイバ君に小さく手招きするニノちゃん。

「ん?」

頭にハテナを浮かばせながら、アイバ君がニノちゃんに顔を近づける。

うわぁ~、そんなに近づくの?って位、顔を近づけると、

頬と頬がくっつく?って位、さらに近づけて、ニノちゃんがニヤッと笑う。

え?このままチューしちゃう?って思ったら、

ニノちゃんがペシッとアイバ君のおでこを叩く。

「な、何すんだよ、ニノ~。」

「ぅははは。アイバ君の匂い、嗅ぎたくなっちゃった!」

「ニノ~。」

アイバ君がおでこを撫でながら、わざとニノちゃんを睨む。

睨まれたニノちゃんは楽しそうに、もう一度手招きする。

「…………。」

疑い深そうに目を細めるアイバ君。

それでも手招きし続けるニノちゃん。

ニノちゃんのにっこり笑顔に根負けしたアイバ君が、ニノちゃんに顏を近づけると、

今度はニノちゃん、アイバ君の頬っぺたにチュッと唇を当てる。

「ニ、ニノ~!」

頬を抑えて顔を赤くするアイバ君。

か、可愛い~!!

チュ、チューとか平気でしちゃうんだ。

人前で!

ハッと気づいてニノちゃんを見ると、ニノちゃんがニッとウィンクしてあたしを見てる。

え?わざと?

疲れたあたしの為?

エネルギーチャージしてくれたってこと?

ニノちゃん~!!

嬉しくて、顔が総崩れしてるのを感じながら、またハッとする。

もしかして、あたしの腐った視線に気づいちゃってるの?

ニノちゃん!

気付いちゃってるよね?

あたしがゴクッと唾を飲むと、ニノちゃんはンフッと鼻を鳴らして行ってしまった。

後に残された、あたしとアイバ君……。

「ニ、ニノの悪ふざけだから……。」

そう言いながら、頬はまだ赤くて。

いいよ~。そのはにかんだ感じ!

ほんと、かわいいんだから!

アイバ君は恥ずかしさを隠すようにコーヒーを入れ始める。

カウンターの奥では、なんかガシャガシャ音がする。

何?何作ってるの?










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