「Deepな冒険」
Deepな冒険(やま) 智Ver.

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「何があっても翔君の心が変わることはないって……。」

「智……。」

「不思議でしょ?そんなこと、あるはずないのに。」

「あるでしょ、現にそうなんだから。」

智が俺の手の甲を撫でるように包む。

「うふふ。翔君……。でもね、今はそうでも、1年後、10年後……。

 そんな先じゃなくても、明日、1週間後、人の気持ちなんてどう変わるかわからない。」

「普通はね。」

俺の気持ちはそんな簡単なものじゃないから。

何があっても、智以外を可愛いと思っても、智以外を好きにはならないって、

俺だって確信してる。

「そういう役も、いっぱい演(や)ってきたし、周りでも見てきた。

 だから、わかってるんだけど……。

 翔君に関しては、変な自信があるのかな?

 絶対なんてないのわかってても、絶対大丈夫って思ってる。

 おかしい?」

「おかしくないよ。本当にそうなんだから。」

智は俺の手を包んだまま、顔の前まで持ち上げて、チュッと小さく唇を当てる。

「翔君……。」

智が俺を、信頼しきった目で見上げる。

「智……。」

俺は智に包まれた両手を解いて、逆に、智の両手を包み込む。

包み込んで、智を見つめる。

「おいらがいるのは、本当に人を信じるのが難しい世界。

 味方だと思ってた人が、急に離れていったり、

 おいらに興味なさそうだった人が、急に近づいて来たり……。

 大人の事情も、人間関係も、お金も、経済的なことも、政治までも、

 いろんなことが絡まり合って動いてるから……。

 そんな中でね、翔君がいるってことが、本当にホッとするんだ。」

「智……。」

「初めて会った時、翔君が一生懸命、守ろうとしてくれたでしょ?

 おいらの願いを叶えようとしてくれた……。」

俺は小さくうなずく。

智だってバレないように、それだけしか考えてなかった。

せっかく一人で出てきた智が、何もできずに帰らされる。

バレたら一緒にいられる時間が……短くなる。

「あの時から、おいら、感じてたんだよね。

 翔君とずっと一緒にいるって。いたいって。

 だから……会いに行ったんだよ。」

「智……。」

俺は智を抱きしめる。

俺だって、待ってたよ。

会いに行きたかったよ。

いくらだって、守ってあげるよ。

「だからおいら、きっと……ヤキモチ焼かないと思う。」

「ん……。そうだね。俺も……智のキスシーンくらいであたふたしないようにするよ。

 平常心で……ここで、両手広げて待ってるから。」

「翔君……。」

智が俺の胸に顔を埋める。

「智……。」

俺は智の顎に指をかけ、上を向かせる。

「智を包むキスは……俺だけだから……。」

智がそっと目をつぶって、俺を誘う。

俺は智の唇に唇を重ね、優しく智の唇を包み込む。

「だから、お願いだから隠し事はしないで。」

智が唇を離して言う。

「隠し事?」

「そう……何か……翔君に迷惑かけるようなことがあったんじゃないかって……

 心配になる。」

智は……そんなことを考えてたのか……。

自分の仕事のせいで俺に迷惑かけてないかって。

それを心配してたんだ。

俺は全く考えてなかった……。

そうだよな。

俺達の関係がバレるってことは……。

智の仕事に影響がでる。

何十万って女の子が泣くことになる……。

マスコミの恰好の餌食。

俺は週刊誌に載る、俺と智を想像してみる。

フラッシュを避けるように、顔の前に手を翳す俺。

どこかで見たような智の写真。

『大野智、男と同棲!?』

『悲痛!騙されていたファン達!』

『演技でファンを泣かせる大野が、夜は啼かされていた!』

まずい。非常にまずい!

それが原因で俺達も会えなくなるかもしれない。

もちろん、そんなことになったって、智から離れる気なんかない。

ないけど……。

智はどうなんだろう?

今の仕事を大事にしてるのは見てればわかる。

俺といる時はふにゃっと笑って、まるでそんな風に見えないのに、

テレビ、雑誌を通じて見る智の輝きは……そう、本当にスターで……。

国民的スーパーアイドル。

わかっているけど、わかっていたけど、

こんな、ふにゃっとした智といると……忘れてしまう。

「翔君……?」

「ごめん……もう二度と、隠し事はしないから。」

「うん……ありがとう。」

智が俺の唇に唇を当てる。

「ごめんね……。」

唇をずらして、柔らかい唇の感触を味わう。

「なんで謝るの?」

上唇を甘噛みして、智の吐息を感じる。

「ぁ……んっ……だって、おいらのせいで翔君に迷惑かけるかも……あんっ。」

智の舌に舌を絡める。

舌先を舌裏に返して、唾液を纏わせる。

「迷惑なんかじゃないよ……俺は何があっても智の隣にいるんでしょ?」

「は…ぁ……そう……ぁんっ……そうだよ、何があっても……んっ。」

「いるよ……何があっても。例えバレても……。」

「ほんと……?」

智が唇を離して、俺を見上げる。

「もちろん……。智は?それでもいい?」

「嫌なわけない!」

智がまた俺の唇を塞ぐ。

俺は智の細い腰を、ぎゅっと抱きしめた。










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