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手解きはディナーの後で……(やま)

手解きはディナーの後で…… for零治様 ②-下

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食後……コーヒーを片手に影山をチラチラ見る鮫島社長。

前回の手解きを受けてから、執事であるにも関わらず、

影山のことが気になって仕方ない。

それまでは影に日向に、鮫島社長をサポートする影山の存在を、

当たり前のように感じていたのに……。

しかも!海軍で黒人のガブリエルと付き合っていたとは……。

恐るべし。執事影山。

鮫島社長はコーヒーを口へ運びながら、また影山をチラ見する。

「零治様、おっしゃりたいことがあるのなら、はっきりとおっしゃってくださいませ。」

影山が、呆れたように溜め息をつく。

「い、言いたいことなんかない!」

「では、私はディナーの片づけが終わりましたら、お暇を頂きますので……。」

鮫島社長はびっくりして影山を見つめる。

「お、おい、あれだ。あれはどうした?」

「あれ……でございますか?」

影山が首を捻ると鮫島社長は、慌てた調子でコーヒーをソーサーの上に乗せる。

「そうだ。あれだ。」

「あれ……と申されましても……。」

さらに首を捻る影山に、苛立ちを隠せない鮫島社長。

「あれだよ。例の……。」

「例の?」

鮫島社長は言いづらそうに唇を噛む。

一番聞きたいカブリエルについてなんて……口が裂けても聞けない。

「……だ、醍醐味についてだ!」

語尾を力強く言ってごまかす鮫島社長に、影山がクスリと笑う。

「ああ、そうでしたね。恋愛の醍醐味についてお話するお約束でございました。」

影山は少し考えるように首を捻ると、鮫島社長をじっと見る。

「ですが……私はクビを言い渡された身……。」

「い、いいから……早く話せ。」

「いいと言うのは……?」

影山は困ったような顔を作り、首を傾げてみせる。

「ク、クビにはしないから早く話せ!」

鮫島社長は言い終えると、フンッと顔を背ける。

影山はクスクス笑いながら、鮫島社長の前に跪(ひざまず)く。

鮫島社長がチラッと影山を見ると、思いの外影山の顔が近くてドキッとする。

「思い通りにならないのが恋愛の醍醐味。

 ですが、思い通りにしたくなるのも恋愛の醍醐味でございます。」

影山は鮫島社長に顏を近づけていく。

ニヤリと笑う影山から顔を背けることができず、

鮫島社長は影山の行動に比例するように体を引いて行く。

「か、影山……?」

いつしか鮫島社長の背中はクッションの上に乗り、体はほぼ床と平行な状態に……。

「零治様、相手の行動を想像し、自分の思った方向へ行動させる……。」

そこまで言うと、動きを止め、鮫島社長を見てニヤッと笑う。

その顔にビビった鮫島社長。

影山の下から逃げ出そうと体を捻ると、素早く鮫島社長の行く手を阻む影山の左手。

「このように、思い通りに行かない時は力づくでも……。」

「え?」

影山はニヤリと笑って鮫島社長の両手を掴み、鮫島社長の頭の上で拘束する。

顔はさらに近づく。

「前回のおさらいでございます……。」

影山の唇が鮫島社長の唇に重なる。

「あっ……。」

小さく声を漏らす鮫島社長の唇は、柔らかな影山の唇に押しつぶされ、

その繊細なキスに酔いしれる。

「んっ……。」

「気持ちいいキスは、相手の行動を奪います。そして……。」

これ以上ないくらい優しい顔で笑う影山に、鮫島社長の胸がドキッと鳴る。

「想像していたものと全く違う行動を起こされると、人はそこに興味を持ちます。

 いわゆるギャップ萌えでございます……。」

影山は再び唇を重ねる。

前回の優しいキスから一転、荒々しい位に乱暴に舌を差し込んでくる影山に

鮫島社長は目を見張る。

大胆に口を大きく開け、鮫島社長の唇を飲み込み、舌を絡める影山。

鮫島社長はなすすべなく、舌を操られ、吸い上げられ、唾液を送り込まれる。

次第に高まる胸の鼓動。

どうしたことか、乱暴に扱われれば扱われるほど、胸の鼓動が高くなる。

鮫島社長は息をするのも苦しいくらいのキスに、ただただされるがまま……。

「んっ……んんっ……。」

影山がやっと唇を離した時には、鮫島社長の息は荒く、わずかに重なった下半身は、

その特色を生かし、ズボンを持ち上げ……。

「零治様、反応が良すぎます……。」

クスクス笑う影山を見て、カァーと顔が熱くなる鮫島社長。

力の緩んだ影山の手から、自分の手を奪い返すと、体を丸めて背を向ける。

「恋愛とは欲深いもの。相手が自分を想っていなくても、欲はどんどん加速していきます。

 そして、思い通りにしたくなる……。」

影山がじっと鮫島社長の背中を見つめると、鮫島社長は小さな声で言う。

「お前も……そうだったのか……?」

「お前も……?」

「そ、そうだ……ガ、ガブリエルに……。」

背を向けたままの鮫島社長に、影山がクスリと笑う。

「いえいえ、どちらかというと、狙われたのは私の方でございます。」

「ね、狙われた?」

鮫島社長が、ガバッと起き上がる。

「はい。」

影山がにっこり笑う。

「そ、その……お前は……。」

影山が、ん?と首を傾げて、次の言葉を待つ。

「あ、荒々しく、だ、抱かれたりしたのか?」

「はい?」

「だ、だから、抱かれたのかと聞いている。」

鮫島社長は視線を宙に泳がせながら、叫ぶように聞く。

目を見開いてびっくりしていた影山も、その様子に笑いを堪えきれない。

「零治様……そこが気になっておられたのでございますね……。」

口に手を当てクスクス笑う影山を見て、鮫島社長はふんっと鼻を鳴らす。

「それは……プライベートなことゆえ、ご容赦を……。」

「な、なんだと!?」

「ですが、零治様。恋愛とは思い通りにいかなければいかないほど、

 意外性があればあるほど、思慕が募るもの。

 思い通りにいかないからと言って嘆いてはいけません。

 そこを楽しむ心の広さ……余裕を、なにとぞお忘れなきように。」

影山のにこやかな笑顔に、鮫島社長は不満そうに口を尖らせる。

「お、お前は意外性がありすぎる!」

影山はクスクスと笑いながら立ち上がると、鮫島社長の唇に唇を重ねる。

「零治様は、あまり素直に可愛い顔をなさいませんように。

 どこかでオオカミが狙っているやもしれません。」

影山はそう言い残して、キッチンへと消えていく。

「ふ、ふんっ!」

鮫島社長は影山の後ろ姿に向かって、クッションを投げる。

「35の大人に向かって可愛いとはなんだ!」

鮫島社長の言葉を背中で聞いて、影山の笑いはなかなか止まらなかった。










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