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【  2016年06月  】 

三日月 ㉞

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.30 (Thu)

 私と雅紀はそんな二人の後ろ姿を見送り、お茶を啜る。「あちらはどうだい?何か困ったことは……。」「そうですね……。颯さんがやんちゃすぎて……ほとほと疲れてます。」雅紀が困った顔を作って笑う。「ははは。それはすまない……。あの子のやんちゃは私似かな?」二人で声を上げて笑う。「公爵は……お体は大丈夫か?」「はい。まだまだ元気でいらっしゃいます。会社の方は私と和子さんでやってますし、 穏やかに過ごしておいでです。」...全文を読む

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三日月 ㉝

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.30 (Thu)

 月日は流れ、私の執筆活動は、少ないながらも順調に進んでいた。智の挿絵も好評で、細々とではあるが、生活の地盤が固まり始めた。贅沢をしなければ、なんとか生活していける程度に。穏やかでのんびりした日々の中、智が庭にバラを植えたいと言う。手入れが大変だからと言ったが、潤に聞きながらやるから大丈夫だと言い張る。「潤に?ここにはいないのに?」私はやや不機嫌な顔をしていたのだろう。智が楽しそうにクスクス笑って、...全文を読む

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三日月 ㉜

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.29 (Wed)

 乱れたシーツの上で、滑らかな智の肌に手を這わせる。智がくすぐったそうにクスクス笑う。抱きしめて……ただ、抱きしめて……。気だるい体から力が抜け、智のおだやかな息遣いを聞きながら目を瞑る。重なりあった体の重み……。野ばらの香りと智の香り……。絡めるように乗せられた足と、絡めた指……。私達はあの場所で……。初めて会ったあの場所で、しばらく動けなかった。一度乾いた涙も、再び流れ始め、抱きしめたまま智を離すことができ...全文を読む

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三日月 ㉛

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.28 (Tue)

 次の日、私は取る物も取りあえず、汽車に乗った。とにかく智に会いたかった。車窓から見える景色は、どんどん流れていく。けれど、どんなに速く流れても、私には物足りない。早く……智に会いたい……。東京へ戻る時、ここで私は夢を見た。智を忘れ去る夢……。あれは願望だったのかもしれない。智に再会しなければ、私はこんなに苦しい想いはしなくてすんだ……。父や兄のように、一般的な幸せの中で生きていけたはず……。智……。君を知って...全文を読む

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三日月 ㉚

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.26 (Sun)

 和子が生きる為にはそれしかなかった……。母のようにならない為に。私は和子を見つめる。この女は、愛する男を諦める為にそこまでしたのだ。智の幸せは自分にない……。それを受け入れることは、身を引き裂かれるような苦しみだっただろうに……。それだけではない。この家を守り、愛する男の幸せの為、ただ一度……そこに人生を掛けたのだ。私に和子を恨む資格はない……。和子の幸せを奪っているのは私だ。颯が私の子であろうと、智の子で...全文を読む

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三日月 ㉙

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.25 (Sat)

 「和子……。」私がつぶやくと、和子はその薄茶の瞳を私に向け、真っ直ぐに歩いてくる。「……あなた……。」和子は私の前に立ち、私を見上げ瞳を潤ませる。「できれば……知って欲しくはありませんでしたわ……。」「和子……。本当なのか?……潤の言ったことは……。」和子はゆっくり首を横に振る。「では……。」私の顔がパッと明るくなる。「わかりません……。これは天が決めること……。」一瞬にして曇る私の心……。「わからないと言うのは……智にも...全文を読む

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三日月 ㉘

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.24 (Fri)

 入って来たのは潤だった。「潤……。」私は持っていたキューを床に着き、潤を見つめる。「どうしたんだい?こんな時間に。」潤は何か言いたそうに、でも言えずに顔を伏せる。「明日……お帰りになるのですか?」「ああ……あまり遅くなると智が心配する。」私は笑ってキューを元に戻す。「早く……帰ってあげてください。」「わかっている。お前は……何か言いたいことがあるのだろう?」振り返って、両手を台に着き、潤を見据える。潤は躊躇...全文を読む

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三日月 ㉗

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.23 (Thu)

 さっきの和子の言葉は、いったいどういう意味なのだろう?単純に貴族院のことだけを言っているのだろうか?逃げろと言ったのも、帰ってこいと言うのも和子だ。私は一人、ベッドの上で考える。和子の真意はいったいどこにある?次の日、木寺宮の結婚の儀が執り行われた。私も久しぶりの晴れやかな席に、少し飲み過ぎた。櫻井の父も兄も出席していて、あちらの家が円満である様子も窺え、良い気分で庭の東屋で酔いを冷ましていた。そ...全文を読む

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三日月 ㉖

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.22 (Wed)

 東京に戻ると、私はすぐに公爵のところへ行った。これまでの不義理を詫びなければならない。公爵はただ黙って私の言葉を聞いていた。そして、最後につぶやくように言う。「智を頼む……。あれは母親に似て優しすぎるから……。」庭のバラを見つめる公爵の目には、柔らかい愛情が溢れていた。「和子の我が儘も……許してやってくれ。和子の気の強い所は、私似だ……。」「公爵……我が儘だなんて……。」「妻が智に執着したのは、先代が男の子を...全文を読む

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三日月 ㉕

三日月(やま)【21~Last】

2016.06.22 (Wed)

 「何をそんなにふて腐れている?」智はベッドに腰かけたまま、なかなか入ってこない。「別に……。」そう言って立ち上がると、部屋を出て行こうとする。「今日は別々に寝る……。」ドアを開けて出て行く智の背に、声高に名前を呼ぶ。「智!」ベッドから下り、慌てて智を追う。「待って!智!」廊下で智を捕まえ、腕を掴んで抱きしめる。「……やっ…………。」「どうして?私が帰るのがそんなに不満?」「……翔さんは……きっとここには戻ってこ...全文を読む

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  果てない空

の順で続いています。
それぞれでも楽しめるようになっていますが、順番に読むと5人の成長がよりわかるのではないかと思います。

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