FC2ブログ

TRIP 腐的妄想

某5人組アイドルの腐的(BL)妄想小説です。成人女性限定でお願いします。

WONDER-LOVE Ever -84-

WONDER-LOVE Ever【61~ 】



「ノア、どこ行っちゃったんだろ……。」

ブランはじっと海を見つめる。

北風が、ブランの白い毛を浮き上がらせ、次の瞬間、別の方向から吹き付ける。

「ノア~~~っ!」

海に向かって叫んでも、返事は一向に返ってこない。

曇り空の海は気持ちまで冷え込ませる。

「ノア……。」

立っているのもやっとの小さな体で、フラフラしながら向きを変える。

足元の砂が動いて、一瞬ヨロける。

「お前、どうした?」

ブランが見上げた視線の先に、一人の男が立っていた。

垂れた目尻は優しそうで、日に焼けた肌は精悍だ。

「迷子か?」

男はしゃがみ込んで、ブランに手を差し出す。

ブランはビクッと体を引くと、男を避けるように、大回りをして砂浜を駆ける。

掴まったらノアに会えなくなる。

そう思って、全力で駆け抜ける。

「……でもちょっと……。」

十分距離ができたのを見計らって、振り返る。

男はさっきの場所からブランを見ている。

この距離でもわかる、男の優しげな顔。

「ママンに似てる……?」

ブランが首を傾げたことに、男が気付いたかどうかはわからない。

ブランはそのまま道に向かって走り続ける。

ノアを早く見つけなくては……。

この世界には二人しかいない。

智も帝王様も、兄弟たちもいない。

二人っきり。

ブランは潤んで閉じかけた瞼に力を入れる。

ダメだ。

泣いてなんかいられない!

ノアを捜さないと!

風に向かって鼻を向ける。

風は、全ての匂いを掻き消してしまう。

ノアの匂いも感じられない。

一瞬、風を止めようかと考え、首を振る。

ブランは風使いだ。

まだ半人前だが、風を一瞬止めるくらいはできる。

魔法ではないが……そんなことをすれば帝王様にバレる?

一瞬、一瞬だけなら……。

ブランは風に向かって手を伸ばし、気持ちを集中させる。

瞬間、風が止む。

ノアの匂いは……しない。

ブランはそっと自分の匂いを乗せ、風を飛ばす。

「ノア~~っ!」

ノアはきっと気付いてくれる。

気付いてきっとここへ……。

探し回らない方がいい。

すれ違ってしまうかもしれない。

ブランは目の前の道を渡り、小走りで大きな木の下に腰を下ろす。

木は、大きなドアの前に影を作る。

ドアの前の小さな看板が、風に吹かれて、カタカタッと揺れる。

ブランは白い体を丸くし、目をつぶる。

「ノア……。」

溜まった涙が目尻に丸い粒を作る。

風が、ブランの心のように渦を巻いて吹き上がる。

看板がガタガタと音をさせる。

ゆっくりとドアが開き、男が顔を出す。

「あ~、やっぱりダメかぁ。補強しないとな。」

「やっぱりダメ?」

「うん。アイバさん、ちょっとそれ、中入れて。」

「看板入れちゃったら、お店やってないと思われちゃうよ?」

「補強する間だけだから、大丈夫。」

背の高い男が、うんしょと看板を持ち上げる。

「あれ?あの猫、また来てる。」

背の高い男が、もう一人の男に目配せする。

「ほんとですね……野良かな?」

「野良にしては綺麗すぎるでしょ~。」

「……迷子?」

二人は顔を見合わせ、ブランを見つめる。

ブランは目をつぶったまま、少しだけ尻尾を動かした。










スポンサーサイト

▲PageTop

WONDER-LOVE Ever -83-

WONDER-LOVE Ever【61~ 】



ショウがカチャカチャとパソコンを弄り、また出て行くと、

ノアはサトシを夢の世界へ誘う。

この世界では猫であるノアの唯一の伝達手段。

サトシと話せるのが嬉しくて、

一頻り、帝王様への愚痴をこぼすと、サトシがブランの話に戻す。

「ね、ノア。ブランって誰?」

「そう、それを話したかったの!」

ノアはサトシの手をギュッと握り締める。

「ブランは……僕の双子の弟。」

「弟……じゃ、猫?」

猫……のままだよね?

「うん、たぶん……。」

ノアは自信なさげに答える。

「こっちに来た時は猫だったんだけど……。」

変身が解けてる可能性もなくはない。

少し考えて、サトシを見上げ、できるだけ力強くうなずく。

「猫だと思う!たぶん……。」

それでもやはり自信無さげなノアを見て、サトシが首を傾げる。

「真っ白で……天使みたいなの。ブランはね、本当にキレイで可愛いんだよ。」

サトシがクスッと笑う。

「自慢の弟なんだ?」

「うん!すっごく頭がいいの!足も速いし、笑うとぎゅってしたくなる!

 でも、口調は強気なのに寂しがりで……そんなとこも可愛いんだ。」

サトシはノアの肩に手を添える。

「じゃ、早く見つけてあげないとね。何かわかりやすい特徴とかある?」

「う~ん、あるかなぁ。」

ノアが少し首を傾げると、帽子からはみ出した短い髪がサラッと揺れる。

サトシはノアがリラックスできるよう、その髪を撫でる。

「気が強くて、すぐ帝王様にも食ってかかる!」

気が強いブラン。

人一倍寂しがりのブラン。

その瞳が、ウルウルと揺れるのを想像して、ノアの心がギュッとする。

早く探してあげたい!

「あ、綺麗な青い瞳をしてるよ。青い鈴も付けてるはず!」

ノアとお揃いの青い鈴。

二人が動く度、チリンとなってた。

「わかった、探してみるね。で、ノアのお家はどこなの?」

家……。

ブランが見つかったら、やっぱり家に帰らなくちゃいけないのかな?

せっかく家出してきたのに。

帰ったら、ブランはアスタロトおじちゃまの所へ行かされる……。

ダメだ。

絶対帰れない!

「僕達……家出して来たんだ。」

意を決してノアが言う。

「家出!?」

「だから、家に帰りたくない!

 お願い!ブランが見つかったら、僕とブランをあなたの家において!」

そうだよ、それが一番!

ママンに似たこの人の家なら、きっと僕達、幸せに暮らせる……。

ノアがサトシの腰に抱き着く。

帝王様似のショウもいるけど……こっちの帝王様は優しそうだし、

なんとかなる!

そう思うと同時に、サトシの姿が徐々に薄くなっていく。

「あ……起きちゃう……?待って……!」

ノアがさらに腕に力を込めると、サトシは夢の世界から消えていった。










▲PageTop

WONDER-LOVE Ever -82-

WONDER-LOVE Ever【61~ 】



「動かない。」

ショウは、帝王様が智に向けるような顔で、ノアとサトシを見つめる。

ノアがサトシの腕から出ようとするのを、声を殺して止め、

構えた四角いものの位置を確認しつつ、ノアの体をサトシの腕の中に押し戻す。

ノアはじゃれるようにその手に噛みつく。

「やめっ、ほら、戻って。」

それでもじゃれつくノアの顎を、大きな手で撫でる。

ノアは気持ち良さそうに顎を上げ、止まった指にもっとやれと顎を押し付ける。

男の手がノアの頭を押し、サトシにくっつけてパッと離れる。

「あ、ダメだよ、そのまま動かないで。」

サトシがピクッと動く。

「……ショ……君?」

「あ~、起きちゃったかぁ。」

ショウが優しい顔で笑う。

「おはよ。いい夢見れた?」

ショウはノアを避け、チュッとサトシの唇に唇を落とす。

「ごめん、今からお昼作るね。」

「いいよ、ゆっくりで。いいもの見れたし。」

ショウが見せた画面には、サトシと眠るノアの姿。

「あんまり可愛くって、30枚くらい撮っちゃった。」

サトシが呆れたように笑う。

「厳選に厳選を重ねて、待ち受け画面を決めなくっちゃね。」

ショウの指がノアの鼻を撫でる。

「僕の写真、高いんだよ?公式以外、アウトだからね!」

「大丈夫。一番写りのいいのにするから!」

「そういう問題じゃなくて……。」

ノアは、はぁと溜め息をつく。

帝王家の写真に特にうるさいのは帝王様だ。

自分の写真にはさほど興味を示さないくせに、

ノアやブラン、智の写真は、必ず細かく検閲し、合否を決める。

良く映り過ぎているものも、映りの悪いものも却下される。

だから、帝王様の御眼鏡に叶う写真はほんのわずかだ。

数が少なければ、その分価値が上がり、

悪魔たちは公開されるや否や、こぞって写真に群がる。

加工画像なぞ作ろうものなら、あっという間に処罰される。

以前、智の顔を裸の天使と合成した悪魔は、帝王様の炎にさらされ、

さらに地獄の池巡りを30周させられた。

下半身にモザイクを掛けた悪魔も、それだけで針山25往復だ。

ノアはどうかこれが帝王様にバレませんようにと願い、ショウの指に鼻を押し付ける。

「ノアも呆れてるんだよ。」

「ノア……?」

ショウが首を傾げ、不思議そうにサトシを見る。

サトシは、あっという顔をして、ノアを見つめ、ぎゅっと抱きしめる。

「ノア……。」

「そうだよ。ちゃんと覚えてる?僕がノアだよ!」

ノアはサトシの胸に顔を押し付ける。

「絶対見つけてあげるからね。」

「うん、お願いだよ!僕のブランを探して!」

ノアはサトシの指をペロッと舐める。

智のように長くて細い指。

その指が、ノアの頭を撫でる。

「サトシ、名前なんて付けたら離れられなくなるよ?」

困った顔のショウが、ノアの背を撫でる。

柔らかいノアの毛は、撫でるだけで気持ちいい。

「なんかね、不思議な夢を見て……。」

「不思議?」

「うん……。」

サトシが夢の話をショウに教えるのを、ノアはじっと聞いてうなずく。

大丈夫。

サトシはちゃんと覚えてる。

サトシには夢で伝えることができる!

ノアは安心してサトシの胸に顔を埋める。

これで、ブランを捜せるかもしれない!










▲PageTop

WONDER-LOVE Ever -81-

WONDER-LOVE Ever【61~ 】



「探してほしいの。」

ノアはサトシの夢の中に入り込む。

気持ちをシンクロさせれば、人間の中に入り込むことはたやすい。

人間はガードが緩い。

魔法を使わなくても……。

「探してほしいの。」

ノアはもう一度言う。

「大丈夫。ちゃんと探すから。」

夢の中のサトシが答える。

「僕の……僕のブラン……。」

サトシが首を傾げる。

「はぐれちゃって……。」

「はぐれた……?」

「そう、僕たちはいつも一緒だったのに。」

サトシが首を傾げたまま、じっとノアを見つめる。

サトシの意識が、今、どこにあるのか。

ノアには半信半疑ながら、サトシに向かって語り続ける。

「きっとブランも僕を探してる。だからお願い!」

ノアはサトシの腕に手を掛け、必死でお願いする。

「きっと、あなたなら見つけられるから!」

そう、ママンにそっくりなあなたなら!

ノアは確信に満ちた声でいい、サトシを見上げる。

「どうしておいら……?」

「それは……。」

なんと説明しようか困る。

でも、正直に話すほかない。

「上手く言えないけど……ママンに似た匂いがるすから……。」

「ママン?」

ノアがうなずく。

顔を上げ、鼻腔を広げて匂いを吸い込む。

サトシの匂いの他にも……仄かではあるけど、どこかからブランの匂いもする。

人間とは異質なブランの匂い。

人間界にいることは間違いない。

しかも……そんなに遠くはないはずだ。

「ブランの匂いもするの。たぶん、そんなに遠くじゃないはず。

 一緒に来たのにはぐれちゃって……。」

ノアがサトシの手を握る。

「お願い!早くブランを探して!

 ブラン……泣いてるかもしれない!」

泣いているブランを想像し、ノアの目に涙が溜まる。

サトシは優しくノアを抱き締める。

ノアを包むママンの匂い。

「大丈夫。おいらが絶対見つけてあげるから。

 だから泣かなくていいよ。」

「ママン……。」

ノアはサトシに抱き着き、体中で気持ちを伝える。

今のノアにできるのは、これだけ。

魔法も使えず、人間界に放り出されたノア。

使えたとしても、ブランのようにはいかない。

何もできない自分にまた涙が出そうになる。

「君の……名前は?」

サトシがノアの頭を撫でる。

その優しい手に、ノアの涙が止まる。

「ノア……ノワール。」

「ノア……いい名前だね。」

サトシがにっこり笑う。

智と同じ笑顔と声に、ノアにも笑みが広がる。

その時、どこか遠くで、チリンと鈴の鳴る音がした。

ああ……もう時間だ……。

ノアの意識がサトシから離れる。

まだ……言わなきゃいけないことがいっぱいあるのに……。

ノアが目を開けると、目尻を下げた帝王様が、サトシとノアに四角いものを向けていた。










▲PageTop

WONDER-LOVE Ever -80-

WONDER-LOVE Ever【61~ 】



「ここが二人の宮?」

ノアは、智似の男の腕の中で屋根を見上げる。

地獄の宮は造りが大きく、玄関に立って見上げても、空はほとんど見えない。

玄関の前の植木の葉がカサっと動く。

なんだろうと気になって、男の腕から逃れようとしたが、

男はギュッと体を捕まえて離してくれない。

「ちょっと待っててね。家の中に入ったら離してあげるから。」

男がニコリと笑う。

仕方なく、男の顎を舐め、玄関が開くのを待つ。

帝王様似の男がドアを開け、ノア達が中に入ると、

智似の男は玄関に置いてあったウェットティッシュでノアの足を拭く。

冷たくって、くすぐったい。

ノアは体中を捩って嫌がる。

「ちょっとだけ大人しくしててね。足の裏、綺麗にしてあげるから。」

「なんだ、このプニプニ!」

帝王様似の男が、拭いたノアの足の裏をプニプニ潰す。

「可愛すぎるだろ!」

帝王様似の男は、全部の足を拭き終わっても、ノアのピンク色の肉球をプニプニし続ける。

「サトシの耳たぶより柔らかい。」

ノアは早く下りたくて、体を捻って嫌がる。

え?サトシ?

ママンと同じ名前?

「ほらショウ君、早く遊びたいって。」

サトシはノアをそっと腕から離し、廊下に下してくれる。

ノアは数歩歩いて、振り返る。

このまま、行っちゃっていいの?

「いいよ、遊んで。」

サトシがにっこり笑うと、ノアは勢いよく走り出した。

「あはは、あいつ、すげぇ勢い!」

ショウとサトシは微笑んで、ノアの後を追う。

ノアは開いていたドアからリビングに飛び込む。

リビング中をグルッと周り、ソファーの下を駆け抜け、カーテンの隙間を縫う。

「大丈夫そうだな?俺、ちょっと買い物行ってくるよ。」

「うん、お願い。」

ショウがサトシにキスして出て行く。

サトシはキッチンに行って、皿に水を入れる。

「喉乾いてない?」

ノアはそっとサトシと皿に近づいて行く。

「喉は乾いてないけど……。」

ペロッと一口舐めてみる。

やっぱり水だ。

「あ~、やっぱりジュースじゃないか。」

それでも二口三口、水を舐め、喉を潤す。

そんなノアをじっと見ながら、サトシが難しい顔をする。

ノアは髭に着いた水を前足で払う。

いつもなら、№1224がやってきて、

「あ~あ、また濡れたまま。ノア様は綺麗なんだから、いつでも綺麗にしとかないとね!」

と、口の周りを綺麗に拭いてくれる。

ノアは食べてるところを見られるのは、あまり好きではなかったが、

周りが汚れることに抵抗がない。

ブランは逆で、食べてるところを見られるのを嫌がりはしないが、

食べた後の汚れは気にする。

ノアがクッキーを食べてポロッと零すと、必ずサッと掃除する。

しまいには、紙の上で食べろと言い出したりする。

「ブラン……。」

ノアはサトシを見上げる。

いったいどうやってこの人に伝えよう。

ブランのこと……。

ノアは考えて……小さな掛けに出る。

魔力とは違うから……帝王様にはバレないはず。

サトシがどこからかタオルを持って来ると、ノアの顔を拭き、

それでクルッと包み込む。

ノアが大きな欠伸をする。

「安心したのかな?ふぁ~あ……。」

サトシも釣られて欠伸をする。

そのままソファーに横になり、タオルに包れたノアを抱き締める。

小さなノアの温かさと、程よい昼の陽ざしが、サトシとノアを夢の中に連れて行った。










▲PageTop

Menu

プロフィール

tepo

Author:tepo
アメブロでメインに活動しています。

嵐の大野君が大好きで、山LOVEです♪
腐っているので、ご理解のある方、
また成人女性限定でお願いします。

a Day in Our Life
    ↓
kissからはじめよう
    ↓
 Step and Go
    ↓
  果てない空

の順で続いています。
それぞれでも楽しめるようになっていますが、順番に読むと5人の成長がよりわかるのではないかと思います。

コメント等は受け付けていません。
何かありましたら、
アメブロの方へお願いします。
リンクにあります「TRIP アメーバ」から
ブログトップへ飛べます。
よろしくお願いします。

最新記事

カテゴリ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR