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TRIP 腐的妄想

某5人組アイドルの腐的(BL)妄想小説です。成人女性限定でお願いします。

Happiness ⑧

短編(いろいろ)



ディナータイムのラッシュが終り、俺のバイトの時間が終わる。

「じゃ、俺、上がるわ。」

「お疲れ様ですぅ~。」

洗い場のバイトの女子高生が振り返らずに挨拶してくれる。

カウンターには山盛りの洗い物。

振り向いてる時間はないな。

もう一人は、さっき大量に入ったデザートと格闘していて、気付いているのかいないのか。

俺と交代の店長が、エプロンを結び直しながらやって来る。

「お先に失礼します。」

「おぅ、明日も頼むよ。」

明日か……。

1週間の内でシフト変更できる日あるかな?

だいたい3人で回す厨房。

今日はデシャップ。

デシャップはコンロやオープン担当で、全体のスピードに合わせて調理する。

入って半年の俺に任せるって、ここの人手不足も深刻。

急な変更は……無理か?

急いでコックコートを脱ぐ。

早くビール買って帰んないと!

ロッカーのある休憩室のドアを開けると、

2時間も前に上がったはずのフロアの子たちがしゃべってて。

「お疲れ様です~。」

「お疲れ。」

俺の方が後輩だけど、年が上だから敬語は使わない!

「あ、大野さん、今度海行きましょうよ。」

「海?」

「今年の水着、どれにしようか選んでてぇ。」

向けられたスマホをチラッと見る。

キラキラした海を背景に、赤いビキニから零れそうな胸!

「こっちとどっちがいいと思います?」

もう一つはフリルのついた薄い紫?ピンク?の水着。

脱いだコックコートをハンガーに掛け、その手でジーパンを掴む。

「どっちでもいいよ。」

「え~、悩んでるのに~。」

「ラインで送るから、返事してくださいね!」

もう一人が、パパッとスマホを操作すると、俺のスマホがピコッと鳴る。

ドアの外に出て、ジーパンに履き替え、財布とスマホをポケットに突っ込む。

ズボンをクリーニングの籠に放り込み、女の子たちの前を通って出口へ急ぐ。

「大野さん、今日、愛想悪い~。」

「急いでんだよ、お疲れ!」

「急いでるって、彼女ですか~?」

「ちげぇよ!」

ドアをバンと締め、階段を駆け下りる。

ビール買って早く帰んないと、ショウがどんな顔して待ってることか。

ビールを2セット、両手に下げてアパートに帰る。

階段を駆け上がってるつもりだったけど、ほぼ立ちっぱなしのキッチン。

終わると結構足に来るんだよ。

加えて両手のビールとツマミ。

気持ちだけ駆け上がって、ドアノブに鍵を差し込む。

「ただいま~。」

玄関に入ると部屋が暗くてびっくりする。

「ショウ?」

いないのか?

まさか一人で出て行った?

「……お帰り。」

声がしてホッとする。

何も知らないショウが一人で出て行ったりしたら!

考えただけでゾッとする。

スマホも持ってねぇし。

「なんだ、いるなら電気点けろよ。」

部屋の脇にあるスイッチを押す。

一気に部屋が明るくなる。

一瞬、眩しくて目を細める。

細めた目に飛び込んできたのは、

部屋の中央、俺がいつもフィギュアを作る位置に座るショウ。

「電気?智がいないのに電気点けても意味ないでしょ?」

え……?

「僕の目は……智を見る為にある。」

おいおい……。

ショウの大きな二重が俺を見つめる。

「遅いから……もう帰ってこないのかと思った。」

「そんなわけないだろ?ただバイトに行っただけで……。」

みるみるショウの瞳が潤んでいく。

え?なんで?なんで泣く?

「よかった……智が帰って来てくれて。智だけ、智だけいればいいんだ……。」

ショウがゆっくり俺に腕を伸ばし、半立ちになりながら、その腕で俺を抱き締める。

「ショウ……。」

「どこにも行かないで。ずっと側にいて……お願い……。」

俺の首筋に顔を埋め、俺に抱き着くショウに、どうしていいかわからなくなる。

明日になったらまたバイトに行く。

明後日も明々後日も。

1週間しかいられないのに、こんなショウを置いて……?

両手のビールをテーブルに置き、ショウの背中をゆっくり撫でる。

「ごめんな……、待たせて。」

ショウは小刻みに首を振る。

「今、一緒にいてくれるから……平気。」

潤んだ瞳で見上げるショウを見ていたら、グッと溢れて来るものがあって。

思いっきり、その唇に唇を押し当てる。

「んっ……。」

すぐに絡まり合う舌と舌。

ショウの腕に力が入る。

俺の腕にも……。

「智……愛して…る……。」

言いながら、俺の奥の奥へと侵入してくるショウの舌。

俺の舌も、ショウの舌の上をなぞりながら、奥へ奥へと押し込める。

男同士でも……いいか。

人形と人間だけど……こんなに愛されることあるかな?

こんなに求められること……きっとこの先ない。

ショウが望むなら……少しでも長く一緒に……。

熱いキスをしながら、手の平がショウの輪郭をなぞる。

頬、首筋、肩……。

腕を通って、脇腹。

「ん、ふぅっ……。」

「んん、はぁっ、んっ。」

唾液の音がクチュクチュ響く。

テーブルの上のビニール袋がカサっと鳴る。

脇腹を通った俺の手は、骨盤に沿って……。

「いい子で待っていたご褒美。処理してやるかんな。」

大きなソレを手の平で撫でると、ショウの首が、グンと仰け反った。










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Happiness ⑦

短編(いろいろ)



「おい、起きろ。バイトの時間。」

「ん、ん~~~っ。」

ショウが腕で顔を覆って反対側を向くと、布団の中に埋まって行く。

白い腕の内側が……なんてか、生々しい!

「行っちゃうかんな?起きて、騒ぐなよ?」

財布とスマホをジーパンのポケットに押し込んで、狭いテーブル脇を通ったら、

ガタッとテーブルに脛がぶつかった。

いてて。

だからベッドにするの嫌なんだよ。

「……ん、……んっ?」

ガバッと跳ね起きたショウが、蒲団の上でキョロキョロと俺を探す。

「智!どこ行くの?」

「バイト!」

「僕よりバイト!?」

「働かねぇと生活できないの!」

「僕を置いて行くんだ?……まだ処理してくれてないのに。」

寝ちまったのはお前だろ!!

処理して欲しかったのは俺の方だよ!

そう、あの後ショウは、安心したのか、キスしたまま……寝た。

キスしたまま寝落ち。

子供がご飯食べながら寝るみたいに。

嘘だろ?と思ったよ。

ありえねぇと思ったよ!

でも、当の本人は、気持ち良さそうにヨダレ垂らして寝てるし……。

仕方ねぇから俺も寝たよ。

ショウのヨダレだけ拭いて。

イケメンにヨダレは似合わねぇからな。

モンモンとしながら寝た俺の気も知れ!

「何時に帰って来る?」

「9時までだから、9時半かな。」

ショウの顔が……青ざめてる?

起きたばっかりだからか?

「バイト先、どこ?」

「すぐ近くのファミ……来んなよ!」

「行くに決まってんじゃん。9時間もいないなんて考えられない!」

「何言って……来てどうすんだよ?俺、キッチンだから店出ねぇぞ。」

「一緒にバイトする。」

「すぐにバイトなんかできるか!?」

「できるでしょ?僕なんでもできるんでしょ?」

ショウが強気な視線で俺を見る。

いや、なんでもできるし、なんなら面接も即採用だろうけど……。

お前、1週間しかいねぇんだぞ?

店に迷惑がかかる!

「ダメだ。家で待ってろ。」

「待てない。」

ショウが蒲団から立ち上がる。

もちろん裸。

「待ってろ!」

「智がいなかったら息ができない。」

「何バカ言って……。」

「苦しくって死ぬ。」

「簡単にそういうこと言うな!」

「それくらいなら智のバイト先に行く。」

「マジ、怒るかんな?」

「1週間が1日になったって、智の近くがいい!」

ショウが俺に抱き着く。

顔を俺の首筋に埋め、ぎゅっと抱きしめて離さない。

なんなんだ?

昨日のえらそうな態度はどこ行った?

産まれたばっかりだからか?

「……離れたくない。」

「ショウ……。」

そうだよな。生まれたばっかで不安なんだよな。

この世界には俺しか知ってる人もいなくて。

神様はすぐどっか行っちゃったし。

仕方ないのか?

「すぐ……帰って来るから。」

「すぐって?」

「バイト終わったら速攻で帰って来るから。」

「無理だね。9時間も離れてるなんて……。」

そんなこと言われたって……。

「帰って来たら……処理してやるから。」

「処理?」

「お前の……。」

腹の下の方をポンと叩く。

「だから、大人しく待ってろ。な?」

「智……。」

ショウが恨みがましそうに俺を見る。

「働かなきゃ、お前の好きなビールも買えない。

 もう冷蔵庫にないだろ?買って帰って来っから。」

青ざめた顔を小さく振る。

「何もいらない。智だけいれば……。」

ショウの唇が俺の唇を覆う。

俺も……ショウの後頭部に手を回し、少し跳ねた髪を撫でる。

流されてる……。

俺、完全に流されてる……。

でも、ショウは1週間しかいられない。

なら、少しくらい流されてやってもいいんじゃ?

唇を離し、ショウを見上げる。

「少しの間だから。帰って来たら、ずっといるから。」

ショウはしぶしぶうなずいて、俺の手を自分の股間に持って行く。

「帰って来たら、ちゃんと処理してよ?

 それを思って……頑張るから。」

そう言うショウが可愛く見えて、頭を撫でる。

「ああ、いい子にしてな。」

ショウの体を離し、玄関に向かう。

「すぐだよ、すぐ帰って来るんだよ!」

「わかってる。」

「じっと待ってるからね!」

「いってきます。」

振り向かず、後ろ手で戸を閉める。

俺も甘いな。

ちょっと……ほんのちょっとだけど、バイト休んじまおうかと思うなんて。

すぐに代わりなんて見つからないから、俺が休んだらランチがパンクする。

それでもいいかとちょっと思う。

パンクしてもお客さんを待たせるだけだけど、ショウの時間は1秒1秒減っていくから。

1日24時間。

分にすると……1440分。

秒にすると……後でスマホで計算してみよ。

やべっ。バイトに遅れる!

急げっ!

慌てて愛車に跨り、ペダルに足をかける。

ビールは……買えるだけ買って来るか。

まずはバイトだ!










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Happiness ⑥

短編(いろいろ)



ふっくら作った唇は、思った通り柔らかい。

上唇を甘噛みし、その下唇で、下唇を撫でる。

何も考えられないパニクった俺を、翻弄するように舌が差し込まれて……。

「ん、んぅ……。」

絡める舌の感触は何年ぶり?

もう忘れるくらい久しぶり。

そこそこ女が切れない時期もあったけど、金の無い男に女は続かない。

いや、金のせいじゃねぇな。

だんだんめんどくさくなる俺が悪いんだ。

唾液が溜まり、ショウが舌を動かす度にクチュクチュと音をさせる。

「ん、んんっ、やめっ。」

気持ちいいのに抵抗する。

このままこのキスにのめり込みそうで、飲まれそうで。

ショウが角度を変え、俺の唇全体を塞ぐ。

押し込まれる舌で口の中がいっぱいになる。

もう、声もでない。

ただ絡む舌と溢れて来る唾液で息をするのも一苦労で……。

こいつ、こんなキス、どこで覚えたんだ?

産まれたばっかじゃねぇのかよ!

苦しいくらい気もちいいキスだぞ!

だんだん体がマヒしてくる。

気持ち良さに力が抜ける。

裸同士だぞ?

男同士だぞ?

人間と人形だぞ?

頭ではわかってても、体はされるまま、舌を動かし、唾液を飲み込む。

マジ、いいのかこれで!

脳みそがサイレンを鳴らす。

危ない、危ない、危ない!

これは危険なサイレンだ。

でも体は全く動かない。

ただ、ショウのキスを味わい、反応する俺の……。

何盛ってんだよ!

それどこじゃねぇだろ!

でも、ショウのキスは気持ち良く、

ツルツルした肌も気持ち良く、

ショウの顔も、こんな間近なのに気持ちいいほどキレイで。

絡んだ舌がスッと引き抜かれる。

思わず追いそうになる俺の唇。

ショウがニヤッと笑う。

「もっとしたい?」

図星を突かれて顔を背ける。

「素直じゃないとこも可愛いね。」

可愛いって何様だ!

俺が作ってやったんだぞ。

「もう、俺から離れちゃダメだからね。」

なんでそうなる!?

てか、さっきの言葉!

愛してるなんて意味わかって言ってんのかよ!

「不満?」

ショウがクスッと笑って、俺の頬を指先でなぞる。

ゾクッとして、ドキッとして。

ゾクッはエロさと怖さ。

ドキッは……本当に愛おしそうに指先を動かして俺を見るから、その顔に。

たぶん……。

「お、お前さ……。」

ん?と首を傾げるショウ。

でも、指先は輪郭をなぞり続けてて。

「いいのか?1週間しかないんだぞ。

 こんなことしてる時間あったら……。」

ショウの指が俺の唇に当たる。

「1週間しかないから、智とこうしていたいんでしょ?」

「お前……。」

「僕はあなたと一緒にいたい。ずっとずっと……、1分1秒離れていたくない。」

「ど、どうして……。」

ショウが、眉間に皺を寄せ、顔を離す。

「だから言ったでしょ?あなたを愛してるって。」

「あ、愛してるって、意味わかって言って……。」

また唇を塞がれる。

でも、柔らかい唇はすぐ離れていく。

「わかってるよ。僕、頭いいんでしょ?」

ショウが意地悪そうに笑って、俺の前髪を撫で上げる。

「そ、そう思って作ったけど、本当にそうなったかはわかんねぇじゃん!」

「ふはは、大丈夫。たぶん、頭いいから。」

ショウの広いデコが近づいてくる。

「頭いいならわかんだろ。お前は最初に見た人間が俺で、しかも作ったのも俺で、

 言わば、俺がお前の親みたいなもんで……。」

「近親相姦?そそられるね。」

ショウがクスッと笑う。

「ちげぇし!そういうんじゃなくて……、

 なんて言うかな……ヒナが最初に見た鳥を親だと思うのと同じで……。」

「刷り込み?」

「そう、それそれ!」

頭いいじゃん!

「そうかもね?でも、そんなのどうでもいいよ。」

どうでもいい?

どうでもよくないだろ!

「僕があなたを愛してる。それが大切。それが全て。」

ショウがニコッと笑う。

笑った顔が……少年みたいで可愛くて。

思わず見惚れた俺の顔を、ショウの大人の手が包み込む。

「だから、黙って愛して。黙って僕だけを見て。」

「ショウ……。」

また重なる唇。

まずい、本当にまずい……。

危険信号は鳴りっぱなし。

なんでショウがそう思ったのか。

なんで俺が逆らえないのか。

それが一番大事なはずなのに……。










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Happiness ⑤

短編(いろいろ)


ん、ん~っ!

大きく伸びをして目が覚める。

なんか、あったけぇな。

気持ちぃ……。

ツルツルした何かが肌に当たって、そのツルツルが気持ちよくって……。

ツルツルにくっついて、体全体でツルツルしてみる。

あ~、気持ちいい。

こんな感触久しぶり……。

え?久しぶり?

パッと目を開け、目の前のツルツルにじっと焦点を合わせる。

徐々にはっきりしてくるツルツル。

……肌?

まだまだはっきりしない脳みそを振るい起こして、そのツルツルに手を伸ばす。

いや、足も腹もツルツルにくっついてるんだけど。

指先がツルツルに触れ、そろそろと撫でて見る。

あ……やっぱり気持ちいい。

毛穴もなくて、産毛も生えてないみたい。

なぜ、俺の隣に肌が……?

ガバッと飛び起き、布団を捲り上げる。

そこには一糸纏わぬショウの姿。

ついでに言えば、俺もまっぱ!

「え、あれ?え、え?ええ~~~~~っ!」

なぜ、どうしてこうなった?

俺か?俺がまたやっちゃったのか?

ちょっと酔ってたかんな。

なのにシャワー浴びて……。

その勢い?え?その勢いなの?

そんな勢いで俺……フィギュアとやっちゃったの~~~~っ!?

しかも俺の作ったの、紛れもなく男だし!

理想の男だし!

アソコ、モッコリさせたし!

××や、アハァ~ンが頭の中をグルグル巡る。

いくら彼女いないからって、そこまで飢えてたのか、俺!

人形作ってヤルってどうよ?

変態か?

これは間違いなく変態だぞ!

何してんだよ、俺!

蒲団を噛んで、キーッと引っ張る。

くそっ!

後先考えろよ!

お前(俺)にプライドはねぇのか!

バカバカバカバカっ!

「そんなにお腹空いてるの?」

気付けばショウは、肘に頭を乗せ、こっちを見てる。

「蒲団なんか食べても美味しくないよ。」

フフッと笑うショウの顔は端正で……。

噛んでた蒲団をパッと離す。

「お、お腹が空いてるわけじゃ……。」

「だったらそんなもの齧ってないで、おいで。」

ショウが手を開いて俺を誘う。

え?おいで?

おいでって、おいで?

腕の中へ……?

え?ええ?ヤラれちゃったのは……俺の方?

慌てて尻を見る。

俺だって、それくらいは知ってる!

ショウの楽しそうな笑い声が俺を呼び戻す。

「何もしてないよ。あなた、さっさと寝ちゃったじゃない。

 僕のコレの処理もしないで。」

ショウはさらに蒲団を捲り、自分のナニを露わにする。

作った通りのデカいアレ。

あ……やっぱり毛がない……!

こいつが大きく成った時はあんま気にならなかったけど!

動いてるこいつにないのって……なんて言うか……恥ずい……。

「何、変な顔してるの?」

そう言って、ショウが俺の腕を掴む。

毛までは考えなかったからな……。

服着せちまえばわかんねぇし……。

「あなた抱いてると気持ちいいんだよね。」

いつの間にか抱え込まれ、布団の中に引きずり込まれてた俺は、

ショウの顔を見上げる。

あ~、こんな角度からもイケメン。

マジ、イケメン!超好み。

ち、違う、そこに騙されるな!

まずは事実確認しないと!

「お、お前、何もしなかっただろうな?」

ショウがクスッと笑う。

「何もって?」

ショウの指が俺の頬を撫でる。

「何もは、何もだ!」

さらに笑うショウの顔が、どんどん近づいてくる。

うわぁ~、めっちゃアップ!

こんなアップにも耐える顔!

「何もしてないって言ったじゃない。」

大きな目がキョロキョロ動いて、俺の顔を確認してる?

「あぁ、訂正するね。何もしてないわけじゃない。」

「な、なんだと!」

「何もしてあげなかったわけじゃない?」

ショウが楽しそうで、反比例するように俺の心は暗くなる。

「う、うそだろ?」

「何されたか聞きたい?」

「い、言えよ、早く!」

イケメンがクシャッと笑う。

目尻にできた皺が可愛い。

笑うと可愛いんだなぁ。

こんな生意気なのに。

「寝ちゃったあなたをね……抱き上げて、ベッドに寝かせてあげた。」

「え?あ……あ、ありがと。」

下で寝るつもりだったのに、ベッドで寝てたのはそういうわけか。

じゃ、なんで裸なんだ!?

あいつ、服着てたよな?

俺が寝る前!

「ど、どうして服脱いだんだよ!せっかく着せてやったのに!」

「服?」

ショウが両手を広げて自分の恰好を見渡す。

「だってあなた、服着てなかったじゃない。」

俺が?着てなかった?

頑張って昨日のことを思い出してみる。

……ん~、風呂から上がって……服着たか?

着てなかったかも……?

「だから、寝る時は脱ぐもんだと思ったんだよ。」

そ、そうなのか?

そういうジョーシキはこいつにはないのか?

いや、わざと裸で寝る奴もいるし……、間違ってるわけじゃ……ない?

「いいじゃない。気持ちいいし。」

あ~、こいつも気持ちいいんだ。

「あなたのこと、結構気に入ってるし。」

結構か?

俺がお前を作ったんだぞ!

言わば親!

「結構じゃないな。だいぶ?」

「だいぶ?」

“結構”と“だいぶ”はどう違うんだよ!

ショウが小刻みに首を振る。

「かなり?」

「かなりってなんだよ~!」

全部同じじゃねぇのかよ!

こいつ、変わってんな。

あ、フィギュアだから変わってて当たり前か。

んははと笑ってショウを見上げると、

ショウがちょっと驚いたみたいに目を開いて、俺のことをじっと見てて。

「すごく……。」

まだ続けんのか?

「べらぼうに。」

べ、べらぼう?

俺は笑い続ける。

よくそんな言葉知ってんな~。

「尋常じゃないほど。」

すげぇすげぇ!

生まれたばっかとは思えない!

「甚(はなは)だしいほど……。」

笑う俺をじっと見続けてたショウの手が俺の頬を包む。

「あなたを愛してる。」

え?と思う間もなく、唇を塞がれる。

え?なに?なにがどうなってそうなった???










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Happiness ④

短編(いろいろ)



ビールを飲み干したショウがベッドに腰かけ、不敵な笑みを浮かべる。

「まずはシャワー、浴びてくる?」

そ、そうだ!

シャワー浴びてすっきりしよう!

今日は慣れないことが立て続けに起こったからな。

考えがまとまらない!

「そ、そうしよっかな……。」

ショウは笑みを浮かべたまま、さらに唇を薄くして笑う。

せっかくふっくら作ったのに。

「早く出て来てよ?

 生まれたばっかりで、何にもわからない赤ん坊みたいなもんなんだから。」

そんな雰囲気zeroだけどなっ。

でも、もしかして、風呂入ってる間に寝ちゃうかもしんねぇしな。

産まれたばかりの赤ん坊だから。

え?あれ?赤ん坊にビール飲ませてよかったのか?

「赤ん坊にビールは早いとか思ってる?」

「お前も心が読めんのか!?」

ショウがふふっと笑う。

「違うよ。あなたの顔見てたら誰だってわかる。」

笑いながら唇を撫でる仕草にドキッとして、そそくさとバスルームへ向かう。

あれ?ゾクッじゃないぞ?

首を捻りながらバスルームのドアを開ける。

まぁいい。とりあえず、風呂だ、風呂!

勢いよく服を脱ぎ、バスルームに入る。

熱いシャワーを頭から浴びると気持ちいい。

ドッと体中に疲れが広がる。

そりゃそうだ。

作ったフィギュアが大きくなって動き出すなんて、誰が思う?

神様まで現れて!

精神的にも肉体的にも疲れ切って当然!

でも……やっちまったのは俺らしいから。

知らなかったんだからしょうがないじゃん!

でも知らなくても、現実問題、目の前にいるし……。

……やっぱ俺のせい……?

……一週間って言ってたよな、神様。

あいつ、一週間もいんのか……。

シャンプーのポンプを押し、手の平の上の液体を頭に擦り込む。

徐々に白くなっていく頭。

一週間か……面倒見るって、責任取るって、何すりゃいいんだ?

曇る鏡にシャワーを当て、洗えていないところを確認する。

ん?だいたい洗えてるな?

あいつ、シャワーとか浴びんのかな。

フィギュアだから、水はダメ?

でも、ビール飲んでたな……。

……まぁ、いい!とりあえず、今日は寝よう!

寝て起きたら、いろいろ考えもまとまってるかもしれない!

また、頭からシャワーを浴び、シャンプーを洗い流す。

体も適当に洗って、バスルームを出る。

蒲団はあいつに貸すとして、余ってる毛布敷けば少しはマシか?

ささっと体を拭き、腰にバスタオルを巻いて部屋に戻ると、

ショウがニコッと笑って俺を待っている。

「お帰り。」

「ただいま……、えっ!?」

テーブルの上に並んだ缶の山。

1、2、3……これは俺が飲んだやつだろ?

4……これはあいつにお祝いで渡したやつ。

5、6……7本もあるじゃん!

あれから3本も飲んだのか!?

「おいっ、飲み過ぎだぞ!」

俺だって、滅多なことじゃ4本も飲まないぞ!

「仕方ないじゃない。あなたいないから、やることないし。」

そりゃそうだけど。

「ビール臭い魂の入れられ方しちゃったからかな?どうもビールが合ってるみたいで。

 僕的には、もっと高級なお酒の方がよかったのに。」

悪かったな。

ウチにはそんないい酒ねぇよ!

「今日はお祝いだから許してやるけど、明日からはこんなに飲むなよ。」

ショウが目をパチパチしてきょとんとする。

「はぁ~~?」

はぁ~~?ってなんだよ!

「あなたが無理やり魂吹き込んだくせに、その言いぐさ?」

「ぃや、まぁそうなんだけど……。」

「僕、人間になりたいとか、言いましたっけ?」

言われたらびっくりするわ。

「動いてみたい、人生を謳歌したい!……そんなこと言いました?」

……言ってねぇよ。

「あなたが無理やり……したのに、その言いぐさ!」

言い方!

誰かが聞いてたら誤解するから!

「右も左もわからない赤ん坊みたいな僕に、あれするな、これするな?」

「そこまで言ってねぇわ!」

「じゃあ、これの処理はしてくれるんですよね?」

ショウが、腰をズンと前に突き出す。

「いや、それは……。」

「ほらね、あなたは口だけ。僕が何するのも反対なんだ。」

「そ、そんなことねぇよ?」

「ほんとに……?」

「ほんとだよ!何かやりたいことあったら言ってみろ!」

「やりたいこと……。」

「おぅ、なんでもやらせてやるよ。

 とにかく、今日は寝る!やりたいことは明日聞く!以上!」

勢いに任せ、テーブルをテレビ台の方に押しやって、ベッドの下に毛布を敷き、

その上に横になる。

この時期で本当によかった。

冬だったら風邪引くの、間違いなし!

溜め息が聞こえて、つぶった目をほんの少し開けてみる。

ショウがじっと俺を見てて……。

ちょっとキュンッとした。

そうだよな。

どんな我が儘言ったって、あいつには頼れる奴が俺しかいないんだし。

あいつのやりたいこと……できるだけ叶えてやるか。

できるだけな?

しがないフリーターの俺にできることなんて大したことねぇけど。

でも、ビールは一日2本まで!

ここは譲れない!










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Author:tepo
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嵐の大野君が大好きで、山LOVEです♪
腐っているので、ご理解のある方、
また成人女性限定でお願いします。

a Day in Our Life
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kissからはじめよう
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 Step and Go
    ↓
  果てない空

の順で続いています。
それぞれでも楽しめるようになっていますが、順番に読むと5人の成長がよりわかるのではないかと思います。

コメント等は受け付けていません。
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