TRIP 腐的妄想

某5人組アイドルの腐的(BL)妄想小説です。成人女性限定でお願いします。

テ・アゲロ  the twins ⑧ -18-

テ・アゲロ the twins (5人)



光を背にして誰かが近づいてくる。

「誰だ~?大貴か~?」

声を聞いて、有岡の顔が明るくなる。

「和彦叔父さん?」

「おぉ~、やっぱりお前かぁ。」

のそのそとやって来たのは、有岡の言う通り、和彦だ。

和彦は多少出ているお腹を引っ込めて、細い通路を入ってくる。

「何してんだ、こんなとこで。」

「大野さんが、人形が見たいって言うから。」

「見たいなんて言ってねぇだろ?」

「信じてくれなかったじゃん。双子は美形って。」

「そりゃ、そんな偶然、普通信じねぇだろ?」

そう言いながら、腰に回った有岡の腕を解いていく。

和彦は二人のやりとりを見ながら、楽しそうに笑い出す。

「そうか、そうか。そりゃ、信じられないわなぁ?」

「はい……。」

大野は、有岡の手を外して和彦に笑顔を向ける。

「本当なんですか?この村の双子は必ず美形って。」

「まぁ、そうだな。美形だな。」

和彦は有岡を見て、ちょっと首を傾げる。

「一卵性なら、一人が美形ならもう一人も美形になる……。

 この村の者は基本、顔は整ってるんじゃないかなぁ?」

「そう言われれば……。」

大野は、外されてもそれでもしつこく腕にしがみ付く有岡を見る。

好みは別として、可愛い顔をしている。

大貴は母親似なのだろう。

若いころなら、相当似ているに違いない。

親戚たちも際立った美形と言うわけではないが、目鼻立ちははっきりしていた。

「つまり遺伝だよねぇ。その中で際立つのが双子に多いと……。

 まぁ、赤子が二人並んでるだけでも可愛く見えるもんだからねぇ……。」

「そういうことですか……。」

有岡は和彦の説明に不満そうに口を尖らせる。

「で、でも!父さんと誠叔父さんは二卵性だったけど、二人とも綺麗じゃん。」

「ああ、そうだね。あの二人は綺麗だったねぇ。」

和彦が懐かしそうに目を細める。

「そんなに綺麗だったんですか?」

「父さんたち、モテモテ?」

有岡が興味津々の顔で聞く。

「そうだねぇ。村の若い娘は、みんなどっちかに恋してたんじゃないかなぁ?」

「それはすごい……。」

小さな村とは言っても、離婚率の低さが物語るように、どこの家も子だくさんだ。

村から出るのが難しかった頃なら、村はそれなりに栄えていたに違いない。

「母さんも、好きだったの?」

「そうだねぇ、菊ちゃんも好きだったんじゃないかなぁ。」

和彦は肩に着いた埃を軽く払って、ニコッと笑う。

有岡は、和彦を大野に紹介していないことに気付いて、大野に向き直る。

「大野さん、和彦叔父さんは、母さんの従妹なんだ。」

「従妹?」

「従妹で幼馴染。」

有岡が、ね?と言うように和彦の顔を見る。

和彦もうなずいて、大野に視線を向ける。

「和彦さんは……お父さん達と同じ歳くらいですか?」

大野はずっと有岡に握られていた腕を払い、和彦の前に出る。

「俺と菊ちゃんが同い年。

 大貴のお父さんたちの方が上。2こ先輩。

 二人とも、とても目立っていたからねぇ……。」

「目立つでしょうね。あんな双子がいたら……。」

「お竹婆とお梅婆も綺麗だったんでしょ?」

「らしいねぇ。うちのお祖父さんも言ってたよ。

 二人は天女みたいだったって。」

「へぇ~、そんなに綺麗だったんだ。俺も見てみたかったな。」

「お竹婆んちに若いころの絵があるから、見てくればいい。」

和彦は近くにあった布の下を覗き込む。

「和彦叔父さんはなんでここへ?」

「ああ、村長が、観光客が来るようになるかもしれないから、

 ここを整理しておけって言うもんでなぁ。」

有岡が顔をしかめる。

「あれ、本気なんだ。村おこし。」

「そうみたいだねぇ。」

和彦は隣の布の下も覗き込む。

「あ、和彦叔父さん!あれ、あれ知ってる?」

有岡が和彦の腕を引っ張って奥に連れて行く。

「これ!知ってる?」

一番奥にある、誠に似た人形を指さす。

和彦は首を伸ばして人形を見ると、不思議そうに有岡を見る。

「知ってるも何も……ここに置いたのは俺だから。」

「え?和彦叔父さんが?」

「ああ、そうだよ。」

和彦はどうしてそんなことを聞くのかと、首を傾げる。

「あれ、誠叔父さんなの?」

「そうじゃないのかぁ?あれだけ似てるんだから。」

和彦叔父さんは大して興味なさそうに、元来た道を戻り始めた。

「あの人形……どこにあったんですか?」

「どこって……大貴のお父さんの部屋だよ。」

「え?」

有岡が驚いて声を上げる。

「父さんの?」

「そうだよ。遺品整理していて見つけてぇ……人形だから、

 ここにしまっただけなんだけどなぁ。」

和彦が困ったように眉間に皺を寄せた。










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ふたりのカタチ (154)

ふたりのカタチ(やま)【141~ 】



懐かしい、ジュン君の店を見上げる。

もう10年くらい経つのに、全然変わってなくてびっくりする。

ちょっと、外壁が古くなったかな?って、そんな感じ。

でも、それもまた味になってていい。

思い出すように、ゆっくり店に入って行く。

「いらっしゃいませ。」

穏やかな男の人の声で迎えられ、

おいらは、あの頃よくジュン君に勧められたテラス席へ向かう。

田村さんと会ったのも、この席。

席に座って、周りの景色を眺める。

向いの店や、道路の様子はちょっと変わってるけど、

背の高い樹々の風景は変わってない。

そのバックに見える空の青さも。

「ん~、懐かしい……。」

大きく息を吸ってそう言うと、若い店員さんがやってきて、にっこり笑う。

「ここへ来るのは久しぶりですか?」

お冷を置きながらそう言って、おしぼりを差し出す。

それを受け取り、店員さんを見上げる。

一瞬、ジュン君に見えてドキッとする。

タイムワープしたみたい。

この場所のせいなのか、まだ京都の感じが残っているのか……。

まさかね?

「ご注文はお決まりですか?」

優しく尋ねられ、ハッとしておしぼりで手を拭いて、もう一度見上げる。

「ブレンドで……。」

店員さんは、かしこまりましたと言って、戻って行く。

よかった。

ジュン君じゃない……。

ジュン君がスミレさんと仲良さそうにしてたカウンター。

あの頃からの想いが実を結んだんだね。

しばらくすると、田村さんが早足にやってくる。

「いやぁ、ごめんごめん、待った?」

こめかみの汗を手で拭いながら、向いの席に座る。

初めて会った時は、もっと繊細な感じだったような……。

おいらがクスクス笑うと、田村さんが訝しそうにおいらを見る。

「何?何かあった?」

「ううん。最初の印象を思い出してた。」

「印象?」

「うん、優しそうなイケメンだな~って。」

おいらはクスクス笑いながら、田村さんの方にお冷を押す。

汗をかきながら、やってきたから。

きっと、喉も乾いてる。

田村さんは嬉しそうに、それをグイグイ飲み干していく。

「はぁ~、急いで来たから~。

 なんせ、次の会議が4時から入ってて……。」

テーブルの上に置いた携帯を押して、チラッと見る。

「大野さんとの時間は、少しでも長く楽しみたい。」

田村さんがニコッと笑う。

「ごめんね。おいらが無理言ったから……。」

いつの間にか店員さんがやってきて、コーヒーを置いてる。

「そんなことない。俺も会いたかったし……。ホットで。」

最後の言葉を店員さんに向け、隣の席に鞄を置く田村さん。

「どう?順調に進んでる?」

「ちょっと悩んでるとこがあって……。」

久しぶりの田村さん。

田村さんは聞き上手だし、上手いアドバイスをしてくれるから、

頼り切ってるとこもある。

優しいお兄ちゃんって感じかな?

田村さんはおいらの話を真面目な顔で聞いてくれて、やっぱり的確なアドバイスをくれる。

帰ったらさっそくやってみよう。

仕事の話が一段落して、田村さんがコーヒーを口にしながら、

おいらをチラッと上目使いで見た。

「なに?今朝もだけど……何か話があるなら……。」

「うん……。言おうかどうしようか悩んでたんだけど……。」

おいらもコーヒーを口にする。

「櫻井さん……、最近、おかしいとこない?」

「ショウ君?ううん、何も……。」

今朝だって、いつもと同じだったし、昨日だって……。

夜のことを思い出して、ちょっと頬が熱くなる。

「そっかぁ、変わりないか……。」

田村さんはまだ悩んでるみたいで、またコーヒーを口に運ぶ。

「何か……ショウ君のこと?」

「ぅん……まぁ……。」

田村さんは空を仰ぎ見るように息を吐いて、スッとおいらを見つめた。

「いや、やっぱりちゃんと話そう!」

そう言って、コーヒーカップから手を離すと、

そっとカップを脇に避け、肘を付いて、両手を組んだ。

「俺さ……見ちゃったんだ……。」

「見ちゃったって……何を?」

田村さんから嫌な空気が漂う。

ショウ君も田村さんを気にしてた……。

いったい何を見たの?

田村さんの声が、組んだ両手の間から聞こえる。

「櫻井さんが……抱き合ってるとこ。」

ズキッとどこかで音がする。

それは間違いなく、おいらの中のどこかで……。

でも、どこだかわからないどこかで……。

「だ、抱き合ってるって……?」

平静を装って聞いてみる。

田村さんは、失敗したなって顔をして、おいらから目を逸らす。

「いや……見間違いかも……。」

「……それでもいいから……。」

頭を掻きながら、つぶやくように言う。

「……若い……男と……抱き合ってて……。」

ドクンドクンと心臓の音が響く。

「だ、抱き着かれたのかもしれないし……。」

田村さんはチラッとおいらを見て、慌てるように言う。

「そ、そうだよね。櫻井さんに限ってそんなこと……。」

「そ、そうだよ。ショウ君がおいら以外になんて……。」

「そうだよ。そうだよ。あんなに大野さんを大事にしてる櫻井さんが!」

「う、うん、あり得ないよ~。」

田村さんが乾いた声で笑って、おいらも同じように笑って……。

笑って、この話は終わりになって、田村さんが最近手掛けてる仕事の話になったけど、

ドクドク言うおいらの心臓は、ずっと静まってはくれなかった。










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テ・アゲロ  the twins ⑧ -17-

テ・アゲロ the twins (5人)



「チェッ。ゲイ宣言すれば免れると思ったのに……。」

ブツブツ言う有岡に、大野が溜め息をつく。

「そんなに簡単に行くわけねぇだろ?

 考えてもみろ。村おこしを考えるくらい、この村の人口は減ってんだぞ。

 ちょっとやそっとで逃れられるか。」

「ゲイって……ちょっとですか?」

有岡がびっくりした顔で大野を見上げる。

「ちょっとだね。大したこたぁねぇよ。」

「そうかぁ……そうなのか……。」

有岡は微かに笑って、目の前の建物を指さす。

「あ、あれです。宝物庫。」

目の前には白壁にグレーの瓦屋根の土蔵が現れる。

二階には漆喰の、観音開きの窓も見える。

いかにも土蔵という感じだ。

「宝物庫と言っても、宝物なんてほとんどないんですけど。」

有岡がポケットからジャラジャラと鍵の束を取り出す。

「でも、中には古い物もあるから……。

 歴史的価値?はあるのかも。」

鍵の束の中から、古い黄土色の鍵を選ぶと、それを閂(かんぬき)に掛かる南京錠に入れる。

カチャッと音がして、南京錠が外れると、有岡が閂を抜こうとするが、

古いせいか、なかなか外れない。

「これ、重いんですよ。昔から。」

フンッと力を込めるが、閂はビクともしない。

「ほら。」

大野が有岡の脇から手を出し、ガタガタと強引に閂を抜く。

「ちょっとさび付いてるな……。」

「大野さん……男らしい……。」

潤んだ瞳で見上げる有岡に、大野はケッと舌を出す。

「いいから、入んぞ。」

大野が先に立って、高くなっている入口を跨ぐ。

「待ってくださ~い!」

有岡は遅れまいと大野の腕を掴む。

「ええい!触るな!」

「触るくらいいいじゃないですか!変なとこ触ってるわけじゃないし。」

「朝は変なとこも触ってたよな?」

「あ、あれは……俺の精神安定剤。」

有岡がつぶらな瞳でニコッと笑う。

大野はまたケッと舌を出した。



土蔵の中は所せましと物が置かれている。

箱に入った物や、風呂敷で包まれた物、中には壺に入った物まである。

埃に触れないようにして、有岡が奥を指さす。

「この一番奥です。双子の人形。」

「そう言えば、この神社の御神体は何だ?」

「うちの御神体は、あの花畑です。昔はここも花畑だったらしいんですけど、

 どういうわけか、どんどん減って……。

 今は村から一番遠い、あの場所だけになってるんです。」

「花畑が御神体……。」

「御神体って言うか……神籬(ひもろぎ)?」

「ひもろぎ?」

「神様が来る場所のことです。

 花が咲くと、それを愛でに神様がやってくると言われてます。」

「へぇ~。ロマンチストな神様だな。」

有岡がニコッと笑う。

「だから、結婚相手を決めるのも上手いんだろうって。

 俺が小さい頃、まだ生きてた爺ちゃんが言ってました。」

「ここはそんなに離婚が少ないのか?」

「そうですね……俺は、離婚したって話、聞いたことないですね。」

「ふぅん……。」

大野は有岡から視線を逸らし、土蔵の奥に目を凝らす。

ガラスケースが幾つも並んでいるのが見える。

「あれか?」

「そうです。人形は一対ずつケースに入れてあります。」

二人は物で溢れかえった狭い通路を、体を横にして進んでいく。

ガラスケースの前まで来ると、大野ですら声を失う。

「すげぇな……。」

色白の子供の人形が、優に百体はあろうか。

「すごいでしょ?怖いでしょ?」

ケースに入っているのは半分くらいだ。

古いものなのか、ケースを作ることができなかったのか、

そのまま誇りを被っているものも同じくらいある。

「いいのか、これで。」

大野は一体の頭を撫でて埃を払う。

「埃避けの布が落ちちゃったんですね。」

有岡は周りを見回し、布を見つけると、それを叩いて人形たちに被せる。

「ケースに入っているのは比較的新しいものです。

 爺ちゃんが、できれば全部って頑張ってたんですけど……。」

布からはみ出した人形を、丁寧に直す。

「最初の頃はこけしみたいに木に彫られたものだったんですけど、

 だんだん精巧になっていって……。」

有岡は、一番奥のケースの前に歩いて行く。

「一番新しいのがこれです。戦前ですね。明治とかなのかなぁ?

 うちの爺ちゃんも実際には生贄の儀式を見てはいないんですけど……。」

「どうして、生贄は終わったんだ?」

「よくはわからないんですけど……。

 軍によって規制が入ったとか……。」

「軍?」

「……はい。」

有岡は新しいケースの中の可愛い一対の人形を見つめる。

「生贄はいけないって、お達しがあったんじゃないですか?」

「軍から?」

大野が眉を上げて有岡を見ると、有岡は困ったように眉尻を下げる。

「そんな顏されても困ります~。わかんないんですよ~。」

有岡は目の前に積み上げられたケースを見上げる。

「でも……みんな綺麗でしょ?」

大野もケースの人形を見つめる。

確かに綺麗だ。

対の人形は、お互いを見つめるように作られてるものが多い。

お互いを慈しみ、愛情深く作られた人形たち……。

「……あれ?」

有岡が、奥に、隠されたように置いてあるケースに気付く。

手を伸ばし、ケースの前の布を少し避ける。

「これ……。」

目を丸くした有岡が、大野に目配せする。

大野も、どうしたのかと、そのケースを覗き込む。

ケースの中には人形が一体しかない。

しかも……。

「……叔父さん?写真の頃の誠……叔父さん?」

有岡は人形と大野を交互に見る。

「……似てるな。」

大野も写真の誠の顔を思い出す。

意思の強そうな眉と目。

それと反比例するような優し気な口元。

「似てるんじゃなくて、叔父さんですよ!」

有岡の声が大きくなる。

「でも、お前の叔父さんは生きてるし、お前の父ちゃんも生きてただろ?」

「そうです……。」

「生贄もなくなったんだろ?」

「……そうです。」

「じゃ、なんで人形が?」

大野が首を捻ると、有岡も同じ角度で首を捻る。

すると、突然、後ろの方でガタッと音がする。

「ひゃあ~~っ!」

びっくりした有岡が大野に抱き着く。

大野はじっと入口の方に目を凝らす。










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ふたりのカタチ (153)

ふたりのカタチ(やま)【141~ 】



「じゃ、行って来る。」

「うん。いってらっしゃい。」

チュッとショウ君にキスをして、ネクタイを直してあげる。

ちょっと顎を上げたショウ君が可愛くて、もう一度キスしたくて背伸びすると、

ショウ君がおいらをギュッと抱きしめる。

それじゃキスできない……。

そう思って、おいらも顎を上げて、キスを強請ってみる。

ショウ君はにっこり笑っておいらの鼻にチュッとする。

違う!そこじゃなくて……。

おいらの方から唇を近づけると、わざと頬を押し付けてくる。

「……意地悪。」

「サトシが可愛い顔するから、意地悪したくなった。」

ショウ君がおいらの髪を撫でながら、今度はちゃんとキスしてくれる。

「ん……。いってらっしゃい。」

唇を離してそう言うと、さらにショウ君の唇が追って来る。

「ショ、ショウ君……。」

「強請ったの、サトシだよ?」

ショウ君の声が鼓膜に響く。

低く甘い声。

その声聞いたら、言いなりになるしかないじゃん。

唇を食べるようなキスを交わし、徐々に舌が絡まり合う。

優しく愛撫するようにショウ君の舌がおいらの舌を包み込む。

唾液の音がクチュッとして、ショウ君の腕に添えた手に力が入る。

ショウ君の腕にも力が入って……。

絡まり合うようなキスは、お互いを離せなくて……。

「ショ……ダメ……ちこ…く……。」

最後まで言わせてくれないショウ君の唇。

堪えようのない刺激はお互いを高めてく。

「ダ…メ……。」

口ではそう言いながら、おいらの唇も離れてくれない。

深くなるキスに飲み込まれそうになって……。

フッと、昨日のショウ君の姿が頭を過る。

仲良さそうに誰かと歩いてた後ろ姿。

ブルブルっと顔を振って、ショウ君の唇を離す。

「ダメ……。仕事、遅れちゃうよ。」

渋い顔で口を尖らすショウ君。

「今日は……早く帰ってくる?」

「あぁ、遅くはないと思う……。」

まだ名残惜しそうなショウ君。

おいらだって、名残惜しいけど……でも……。

「帰って来たら……。ううん、早く帰って来てね。待ってる。」

帰ってきたら聞けばいい。

聞けばちゃんと話してくれるはずだから。

「サトシは仕事?」

「うん。今日は家の予定。何かあったらメールする。」

「わかった……。」

ショウ君はもう一度キスしたそうだったけど、クルッと胸を返して外に出した。

だって、このままじゃ終わらないもん。

いつものことだけど……。

「サトシ……冷たい。さっきの仕返し?」

「そうそう。おいらを怒らすと怖いよ?」

ニコッと笑うと、ショウ君が大げさにブルブルッと震えて見せる。

「んふふ。行ってらっしゃい!」

「いってきます。」

ショウ君は、それでも最後にチュッとおいらのおでこにキスをして出て行った。

ショウ君を見送りながら、おでこをさする。

ショウ君……ちゃんと話してくれるよね?

おいらはドアを閉めて、洗濯機に向かう。

さ、今日もシーツ、洗わないと!



「ん~っ。」

色入れが一段落して伸びをする。

ずっと同じ姿勢だったから、首を回しただけで背中がボキボキ鳴る。

両手を上に上げて、思いっきり伸ばして……。

そろそろお昼かな、と思ったら今度は携帯が鳴った。

見ると、田村さんの名前。

どうしたのかなと思って、すぐに携帯をタップする。

「もしもし。」

「あ~、大野さん?」

「田村さん?何かありました?」

「いや、どうなってるかなと思って。」

「仕事ですか?順調です。」

おいらは元気よく答える。

本当はちょっと遅れ気味なんだけど……。

どうしようか悩んでるとこがあって……。

田村さんに聞いてみようかな?

「それならいいんだけど……。」

なんだろう。田村さんの歯切れが悪い。

「田村さん?」

「いや、いいんだ。気にしないで。

 ちょっと落ち着いたら飯でも食いに行こう。」

「いいですけど……。本当は何か話したいことがあるんじゃないですか?」

「……話したいことって言うか……。」

やっぱり歯切れが悪い。

「田村さんが……言いたくないならいいけど……。」

「…………。」

田村さんはいつも、まずメールを送ってくる。

それが最初に電話なんだから、きっと話があるはずなんだけど……。

「田村さん、初めて会ったカフェ、覚えてます?」

「初めて?……ああ、覚えてるよ。大野さんの大学の近くの……。」

「そうそう。そこで友達が働いてて、おいらがよく行ってた……。」

「懐かしいなぁ。」

田村さんの声が少し上がる。

「今度、その友達が結婚するんです。そこで知り合った彼女と。」

「へぇ~、それはめでたい。」

「10年以上も付き合ってやっとです。」

「ははは。それは長いねぇ。」

「途中、別れたりもしたらしいですけど。」

「紆余曲折の果てに、お前しかいない!ってことなのかな?」

いつもの田村さんの調子が戻って来る。

「そうですね……。行ってみませんか?久しぶりに。」

「まだあるの?」

「あるらしいです。」

「そうか……。いいよ。」

「今日は……どうですか?」

「ん~……2時くらいから、少し空きができるかな……。

 それでもいい?」

「んふふ。嬉しい。」

「……櫻井さんは……元気?」

「ええ、元気ですよ。何かありました?」

「いや、いいんだ。じゃ、2時に。」

田村さんが携帯を切って、おいらも携帯を耳から離す。

なんだろう……。

そう言えば、ショウ君も田村さんって言ってなかったっけ?

おいらは首を傾げて考えてみたけど……。

何も思いつかなくて、机の上を片づけ始めた。










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Wonderful ⑫

Wonderful(やま)



「サトシ、こっちの、蕾がついてる。」

「あ、もう?」

「毎日、俺が水を上げたから!」

ショーが自慢げに胸を張ります。

小麦色を通り越して、黒く、艶やかに光るショーの肌が、

太陽の光を浴び、キラキラと輝きます。

もう、サトシもうるさく言いません。

どんなにケアしても、ショーは黒くなっていくのです。

そして、どんどん逞しくなっていきます。

ショーは、血管の太く浮き出た腕で、サトシを抱き寄せます。

「あっ……、どうしたの?」

「……見てたら……抱きしめたくなった。」

ショーが、サトシ好みのイケメンの顔で笑います。

サトシもふにゃりと笑います。

ショーに見つめられると、ドキドキして、

自然とショーのズボンの中心に視線が向きます。

それは、見つめられて恥ずかしくて下を向くからなのか、

サトシの花が疼くのか……。

サトシにもどちらなのか判断が付かないくらい、

両方の気持ちがサトシを襲うのです。

「ショー……。」

サトシはショーの腕に手を掛け、ショーを見上げます。

ショーの汗が、キラキラと光ります。

汗で濡れたショーの腕を、サトシはそっと撫でます。

「ご飯の前に水浴びしないとね……。」

「水浴び?サトシもする?」

「えっ!」

ショーはサトシを抱きあげると、近くの泉に向かいます。

雪解け水は冷たく、こんな日にはちょうどいいのです。

サトシが小さな悲鳴を上げて、ショーの首に抱き着きます。

ショーは笑ってサトシを抱き直します。

抱きあげられて、その高さにびっくりしました。

ショーの身長がまた伸びたような気がするのです。

「ショー、また大きくなった?」

「そうかな?そんなに大きくなった気はしないけど。」

ショーは快活に笑います。

笑ってズンズンと歩いて行きます。

「大きくなってるよ。黒くもなってるけど。」

サトシも笑って、ショーの頬を撫でます。

ショーは、愛おしそうにその指にキスすると、その中指をパクッと口に含みます。

サトシはクスクス笑いながら、ショーの口から引き抜いて、

その指を自分の口で咥えます。

なんと妖艶なことでしょう。

ショーの背中がゾクリとし、牛乳瓶がムクリと起き上がります。

でも、それにサトシは気づきません。

泉に着くと、すぐさまショーによって服を剥ぎ取られ、抱きしめられます。

ショーの服も、もちろん脱ぎ捨てられています。

「ショー……。」

サトシの潤んだ瞳がショーを見つめます。

ショーの精悍な瞳がサトシを捉えます。

二人はゆっくり泉に入って行きます。

サトシの腰に当たる牛乳瓶が……。

いえいえ、もう牛乳瓶ではありません。

しっかりと大人になったショーのそれは、ハーフサイズのワインの瓶です。

「サトシ……。」

ショーの唇がサトシの唇を覆います。

サトシも抱きしめながら、腹部に当たる瓶に気づきます。

「ショ、ショー?」

「ん?」

ショーはサトシのびっくりしている様子など、気にすることもなく、

サトシの顔にキスの雨を降らせます。

「待って、……ねぇ……待って!」

「……どうしたの?」

ショーは不機嫌そうにサトシを見下します。

「こ、これ……。」

サトシは自分の腹部に当たるショーのワインを指さします。

「こ、こんなの無理……。」

「大丈夫。毎日少しずつ大きくなってるから、

 サトシの花も毎日少しずつ広がってるはず。

 今までだって平気だったでしょ?」

「そ、そうかもしれないけど……。」

サトシは不安そうにワインを見ます。

「サトシだって……これじゃないと、もう満足できないよ?」

ショーがいやらしく笑います。

サトシはチラッとショーのワインに視線を落とします。

どう考えても、あれが入るとは思えません。

「ほんとに?これが毎日入ってるの?」

「そうだよ。少しずつ大きくなってるのはなんとなく気付いてたんだけど、

 サトシが気持ちよさそうだから、大丈夫かなと思って……。

 サトシは気付いてなかったの?」

「……全然……。」

ショーはクスッと笑って、サトシの背中に腕を回します。

「大丈夫。試してみる?」

そう言って、サトシの花を開くようにゆっくり揉みます。

「え?ちょっと……そんなすぐに?」

「水浴びしながら、ゆっくりと……。」

「え、や……あんっ……。」

ショーはサトシの体を泉の中に沈めます。

汗ばんだ体を流すように、肌を合わせながら、撫でて行きます。

「ショ……ダメ……こんなとこで……。」

「大丈夫。誰も見てないよ……。」

ショーの声と指で、サトシの花が開いていきます。

「ショー……ぁんっ……あ……。」

サトシの体を心地よい痺れが走ります。

もう、止めることなどできません。

「ショ……好き……大好き……。」

二人の唇が重なって、泉の水が輪を描いて広がって行きます。

「俺もだよ……。俺も……サトシが大好き……。」

「ショー……。」

二人の声に応えるように、畑の花の蕾が大きくなります。

「好き……好き好き……。」

「あぁ……サトシ……サトシ……愛してる……サトシ……。」

ポンポンと、あちこちで蕾が大きくなっていきます。

花畑が満開になるのも、もうすぐのようです。



「あ、あぁあ~っ!」

今日もまた、サトシの花が開きます。

大輪の花が咲いて、サトシの吐息がショーの頬をくすぐります。

ショーのワインは……あっという間に空っぽです。

このワインが、瓶の中で熟成されることは……なさそうですね?










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Author:tepo
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嵐の大野君が大好きで、山LOVEです♪
腐っているので、ご理解のある方、
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kissからはじめよう
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 Step and Go
    ↓
  果てない空

の順で続いています。
それぞれでも楽しめるようになっていますが、順番に読むと5人の成長がよりわかるのではないかと思います。

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何かありましたら、
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