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TRIP 腐的妄想

某5人組アイドルの腐的(BL)妄想小説です。成人女性限定でお願いします。

Sunshine (147)

Sunshine(やま)【121~ 】



徐々に打ち解けてきたなぎささんが、頬を染めながらビールを飲む。

なぎささん、辛いのは得意でも、お酒はあんまり得意じゃないのかな?

クーラーボックスを開けると、ビールに混じってお茶やジュースも入ってる。

「なぎささん、他のにする?」

ちょっと声を張って聞く。

ジュン君が顔を上げたけど、他の人はおしゃべりに夢中。

マー君はカズにからかわれて、必死で抗議中(笑)

マー君のお肉を食べながら、なぎささんが優しく微笑む。

「ありがとうございます。

 お茶があればお茶を……。」

お茶を一本取って、なぎささんに持って行く。

「ジュースじゃなくていいの?」

「甘いのはちょっと苦手で……。」

うんうん、なぎささんはお茶よりジュースって感じ。

「憧れはあるんですけど……。」

おいらを見るなぎささんの目が細くなる。

「憧れ?」

「ええ。」

おいらから受け取ったお茶を開け、ゴクッと一口飲む。

「缶のお茶も美味しいですね。」

「いつもは自分で淹れてるの?」

「はい。ゆっくりじっくり丁寧に淹れるとお茶はどんどん美味しくなるんですよ。

 でも、ジュースの方が美味しいって方が多くって。」

またゴクッと飲んで、ほぉっと一息つく。

「さみしいですね。」

なぎささんって年下だったよね?

それも結構。

こうやって話してると、ずっと年上のような気がするから不思議。

「ショウ君は元気?なぎささんちの。」

なぎささんの飼ってるポメラニアンの名前もショウ君。

目の大きな可愛い犬で、ショウ君の小さい頃みたいな犬。

「元気ですよ~。ずっと騒いでます。

 お気に入りのボールが無くなったって、家中引っ掻き回したり。」

なぎささんがクスッと笑う。

ああ、マー君もよく言ってるよね。

ショウ君が家の中ぐちゃぐちゃにするって!

元気なワンちゃんはそうなっちゃうのかな?

「ボール、二つあるんですけど、それが同時に見えなくなっちゃって。大騒ぎ。」

なぎささんが思い出したのか、面白そうに笑う。

「ボールなんて、すぐ見つかるのに。

 大抵は自分で遊んで、どこに置いたかわからなくなっちゃっただけなんですよね。

 なのに、大慌てで探しまくったみたいで。」

なぎささんがマー君のお肉を食べる。

みんなが辛いって大ブーイングだったお肉。

本当に辛いの好きなんだな。

マー君が一生懸命作った肉だから?

「見つかった時は、二つをお腹と前足で抱え込んで寝てました。

 白と黒のボールを大事そうに。」

「んふふ、可愛い。」

「だったら最初から丁寧に扱えばいいんです。」

「あはは、なぎささん、お母さんみたい。」

動物飼うとそうなるのかな?

マー君も、犬のショウ君や猫のサトシ君に対しては、

お父さんだったりお兄さんだったりするもんね。

おいらも、ノアとブランが来た時、そうだった。

きっとショウ君も。

甘々だったもんね、ショウ君。

思い出してクスッと笑うと、なぎささんの髪がサラッと揺れる。

「そうですね。私は大事に育てたんですけど……親の心、子知らずです。」

「今日は?一人で留守番?」

「いえ、今日は……。」

なぎささんの緑のピアスがキラッと光る。

「そろそろかな?」

なぎささんが、駐車場の方に目を向ける

おいらも釣られてそっちに目をやる。

あれ?

「おーい、遅くなってごめん~。」

手を振るのは風間君?

「お~っ!ありがとう!悪いね。」

マー君が手を振り返し、風間君に駆け寄る。

風間君の足元には、犬のショウ君とポメラニアンのショウ君。

風間君の首の後ろから猫のサトシ君が顔を出す。

「こいつらも遊ばせてやろうと思って。」

マー君がみんなの方を向いてニコッと笑う。

エプロンを着けた風間君が、リードをマー君に渡す。

犬のショウ君が、おいらに駆け寄ろうとしてリードが引っ張られる。

「ショウく~んっ!」

おいらがショウ君に駆け寄ると、ショウ君が飛びついて来て、顔をペロペロ。

「あはは、ショウ君、おいらの顔、美味しい味、ついてた?」

舐めまくるショウ君の顔をちょっと避けて、目をつぶる。

ショウ君の匂いと、荒い息。

思いっきり振る尻尾が時々当たる!

「うはっ、ショウ君!」

抱きしめて、背中を撫でてやると、おいらの首筋にある湿った鼻がうなじに移動する。

くすぐったい!

「こら、何サトシの匂い嗅いでんだっ!」

人間のショウ君が飛んで来て、おいらからショウ君を引き離そうとする。

犬なんだから、匂い嗅ぐのは当たり前!

猫の智君が、おいらの体を駆け上がり、頭の上から犬のショウ君を威嚇する。

「フゥ~ッ!」

犬のショウ君が耳を下げ、尻尾を下げておいらからそっと離れる。

あはは、猫のサトシ君強い!

頭の上のサトシ君をショウ君が抱き上げる。

「ダメだぞ~、サトシの髪がぐちゃぐちゃになる。」

声が甘々。

ショウ君には厳しいのに!

ポメラニアンのショウ君もなぎささんの所で甘えてる。

近づいて来たスミレさんとジュン君に尻尾を振ってるし。

あ、木村さんも犬好きだって言ってたよね?

マー君に頭を撫でられてたショウ君が、木村さんの気配を感じてピシッとお座りする。

「ほら、ショウ、ご挨拶。」

マー君も隣でリードを持って、ショウ君を促す。

「初めまして。マサキ君のショウ犬君。」

木村さんがしゃがんで両手を広げると、勢いをつけて飛びつくショウ君。

初めてなのに?

まるで警戒心がないショウ君!

猫のサトシ君は、ショウ君の腕の中からじっと木村さんを見てる。

犬のショウ君と猫のサトシ君が初めてなのは木村さんだけかな?

木村さんの腕の中で、興奮してはしゃぐショウ君!

ああ、ショウ君、君も木村さんの虜だね?

カズはおだやかな顔して見てる。

しょうがないね。木村さんだから。

って、そんな感じ?










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Sunshine (146)

Sunshine(やま)【121~ 】



BBQは楽しい!

みんなに会えるのも、美味しい肉を食べられるのも!

マー君のお肉はおいらとなぎささん担当。

こんなに美味しいのにね。

野菜も焼いて、ビールも進むと、徐々にみんななぎささんと木村さんとも打ち解けて。

「マサキのどこがよかったの?」

「仕事は何をしてるの?」

「付き合い始めのきっかけは?」

みんなの……主にジュン君の質問攻めに、スミレさんが間に入る。

肉を焼きながらだから、畳みかけたわけじゃないんだけど。

「ジュンにそんな次々聞かれたら、萎縮しちゃうから!」

んはは。確かに。

ジュン君、目力強いから!

「そうだよそうだよ。」

マー君もビールを持って、なぎささんの横に並ぶ。

「大丈夫ですよ。気の強い人、慣れてますから。」

なぎささんが、サラッと笑う。

なぎささんの家族に気の強い人、いるの?

「仕事は……図書館司書をしてます。」

ぴったり!

物知りそうな雰囲気にも、穏やかそうなとこも。

「へぇ~、すごい。どこで?俺、行ったことあるかな?」

「んふふ、ないと思いますよ。都内の大学の図書館なんです。」

「なんだ、そうなのかぁ。」

返事を貰えて満足そうなジュン君。

「マサキさんの好きなところは……誰に対しても優しいところ。

 ショウ君……あ、マサキさんの飼ってる犬の……。」

チラッとショウ君を見て、申し訳なさそうに眉尻を下げる。

ショウ君は笑顔でわかってるって小さくうなずく。

「犬のショウ君に、本当に愛情を持って接してて、素敵だなって。」

なぎささんが、思い出すように、本当に優しい顔をして笑う。

「子供の頃からずっとこんな感じだったんだろうなって。」

「そうそう、マサキはほんと変わんない!」

カズがそう言うと、ジュン君もうんうんとうなずく。

「可愛がってるのは猫のサトシの方だと思うけど?」

ショウ君が目尻を上げて、マー君を横目で見る。

「ショウだって可愛がってるよ、毎日散歩に連れてってるし。」

そうだよ、そんなことないよ。

マー君はみんな可愛がってるから!

「オウムのカズナリなんて、あんなに頭いいのに、籠の中よ。」

カズがビールを飲みながら、意地悪そうに笑う。

「鳥なんだから、しょうがないじゃん!

 でもカズナリ、頭いいから勝手に籠、出ちゃうけど。」

「とかげのジュンだって、あんなにキレイなんだから、

 もっと外に出して上げればいいのに。」

今度はジュン君が、とかげのジュン君の肩を持つ。

「あいつ、出すとどこ行ったかわからなくなるんだよぉ。

 天井に上ると、連れ戻せないし~。」

あはは、確かに~。

とかげのジュン君、小さいしね。

スミレさんとなぎささんが、楽しそうに笑う。

知らなくても想像できちゃうよね。

マー君と犬のショウ君達の楽しそうな日常。

なぎささんは十分知ってるだろうし。

「木村さんは動物は?」

おいらがこそっと聞くと、木村さんがニッと笑う。

「昔、犬を飼ってたよ。小型犬も大型犬も。」

「可愛いですよね~。おいらもショウ君見ると飼いたくなっちゃう。

 でも、どっちかって言うと猫がいいかな。

 のんびりしてて、自由で。」

虎次郎見てるとそう思う。

行きたいとこに行き、眠りたい時に眠る。

虎次郎を止める者は誰もいなくて、虎次郎を自由にしようとする者もいなくて。

羨ましいけど、今は……。

ショウ君に繋がれたいと思う。

雁字搦めに縛られても、ショウ君なら……。

それが茨の弦でも、鉄の鎖でも、ショウ君と繋がっていられるなら……。

サンサンと降り注ぐ太陽の下でする想像じゃないね?

一人で変な想像してると、木村さんがニヤッと笑う。

恥ずかしくなって下を向くと、木村さんがスッと新しいビールを渡してくれる。

「サトシ君の鎖はとっても長そうだね。」

え?

ありがとうと会釈して、ビールを受け取る。

「俺の鎖も長くしてあげたいんだけど……。

 長い鎖が絡まると困るから。」

木村さんの視線がカズに向く。

「単純なのに難しい……そこがそそるんだけど。」

今度は長い鎖に絡まれたカズを想像して……赤面。

イケナイ想像しちゃった……。

ショウ君がおいらの耳に口を寄せる。

「どうしたの?やたら可愛い顔してる。」

「え……そんなことないよ。」

「飲み過ぎ?」

「まだ2本目。」

「ほどほどにね。サトシ、酔うと可愛くなるから。」

可愛くって!

もう、みんなおっさんだから!

「ほら、ジュンが見てる。マサキもカズも。」

ショウ君、何言ってんだか。

みんな楽しそうにお酒飲んで、お肉食べてるだけじゃん。

「前言撤回。」

木村さんが、おいらとショウ君の間から顔を出す。

「君の鎖は……思ったより短い。

 と言うより……ゴム製?」

ゴム製って!

なぜかまた赤面して下を向く。

おいら、何想像してんの!

焦るおいらを不思議そうに見るショウ君の顔を見て、さらに顔が熱くなる。

隣で木村さんが笑うのがわかって……。

移動することもできず、思いっきりマー君の肉を口に押し込んだ。

顔が赤いのは、マー君の肉のせい!

顔が上げられないのも、マー君の肉のせい!










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Sunshine (145)

Sunshine(やま)【121~ 】



「サトシ、肉焼けた!」

マー君の声に、おいら達は一斉に振り返る。

「焼き過ぎになっちゃうよ~。」

ジュン君の隣で手招きしながら、肉をかぷっと頬張るマー君。

「ん~、ジュン君の肉、うまっ。」

マー君の目が丸く見開かれ、ジュン君を見る。

ちょっと唇の端を曲げたジュン君が、横目でマー君を見返す。

「俺の肉じゃねぇし。俺が買って来た肉!」

「くふふ、ジュン君の肉じゃん。俺の肉も喰って~。」

マー君が、筋張った腕をジュン君の前に差し出す。

細いけど、男らしい腕!

「いらんわっ!」

野菜を切り終え、二人を見ながらスミレさんとなぎささんが笑う。

「ほら、サトシ達も早く、ジュン君の肉食べてっ!

 ついでに俺のも!」

おいらは立ち上がって小走りで駆け寄る。

「食べる~、どっちも!」

「え?サトシ、どっちも食べちゃうの?」

ショウ君のちょっと高い声が楽しくて、笑いながらマー君の隣に並ぶ。

「お腹空いたでしょ?まずはジュン君の肉ね。」

「買って来た肉!」

マー君が焼き上がった肉を皿に乗せてくれる。

それをおいらもパクリ。

「あっちっ、んまっ!」

「でしょでしょ?」

ちょっと遅れて、ショウ君、木村さん、カズもやってくる。

「うほっ、うまそ。」

ショウ君が自分の箸で肉を取って、口へ入れる。

「あっちっ。」

「サトシが食べたの、見てなかったの?」

カズが叫んで、みんなが笑う。

ショウ君は頬と口を大きく動かしながら、肉を飲み込む。

「でも、マジうめっ。」

ジュン君とマー君がハイタッチして喜ぶ。

それを合図に、各々がジュン君の肉を自分の皿に取り分ける。

「次、俺のも焼くから!」

一通り、肉がなくなると、マー君がタッパから肉を取り出して網に乗せる。

赤茶のタレがジュッと焼ける。

ん~、スパイシーな匂い!

「うまそっ!」

「俺、特製の付けタレだからね~。」

ジュン君もマー君を手伝って、綺麗に網に並べていく。

その様子をカズがスマホでパシャリ。

「俺の肉っ!」

言いながら、網に落とす肉は、ジュッと音を立てて美味しそう。

「どうりで最近、細くなったわけだ!」

カズがマー君をパシャリ。

「そうそう、一番おいしそうなとこ切り取ったから!

 あ、カズのも切り取っとく?この辺。」

マー君の左手が、お腹をまあるく撫でる。

「大丈夫?その辺り、固くって食べづらいかもよ?」

カズがニヤリと笑って木村さんを見る。

カズ、本当に鍛えてるの?

5パックになるまで?

ほんと?

びっくりするおいらを後目に、ショウ君が笑う。

「いい霜降りになってるよ。」

ビールを飲みながらそう言うと、みんながドッと笑う。

あ、やっぱり?

カズに腹筋て……イメージなさすぎ!

一緒にお風呂入ったの、いつだったか忘れちゃったけど、

綺麗な丸いお腹だったの覚えてる!

赤ちゃんみたいな!

「今、ロースになってる最中!」

「5パックって、どうやったらなるの!?」

ジュン君が、半分本気の声で聞く。

「あれ?ジュン君、見たことない?

 おっかしいなぁ。みんな知ってると思ったのに。」

カズがクスクス笑いながらビールを飲む。

「あれでしょ?スーパーで売ってるやつ、5つ!」

マー君が、左手をパーに開く。

ゲラゲラ笑ってる間に肉が焼けていく。

「そろそろ焼き上がるよ~。」

マー君が肉を掴んで持ち上げる。

「なぎささん、食べて。」

なぎささんに振ると、スミレさんが、なぎささんの皿を差し出す。

「え、私は後で……。」

「いいから、いいから!食っちゃってよ。毒見みたいなもんだから。」

「毒見ってなんだよ~!」

カズも勧めて、マー君が反論して、楽しい雰囲気の中、なぎささんが皿を受け取る。

「いいんですか?」

「いいからいいから。」

今度はジュン君が肉を返しながら勧める。

「美味しくなかったら、吐き出していいから。」

ショウ君がジョーク混じりにそう言って、ビールを飲む。

「あ~、そんなことないから!」

うん、そんなことないよ!

マー君の餃子、最高だもん。

お肉だって、かなりスパイシーな匂いはしてるけど!

なぎささんが、お肉をパクッと頬張って、モグモグ。

「あ、美味し。」

なぎささんが、クシャッと顔を崩して笑う。

あ、笑った顔、可愛い!

笑い顔、マー君に似てる!

「おおーっ!」

マー君とジュン君がまたハイタッチして、肉をみんなに配ってく。

もちろん、おいらにも。

マー君特製スパイシー付けダレ。

おいらもパクッと口に入れる。

ん、んん~!

「んっまっ!」

辛いんだけど、美味しい!

辛いだけじゃない、旨さがあって!

「でしょでしょ?」

マー君が嬉しそうにおいらを見る。

おいらも笑顔でうなずく。

さすがマー君!

「うっ……。」

隣のショウ君のおでこに汗が噴き出る。

「むっ。」

ジュン君の眉間に皺が寄る。

カズに至っては、口を開けて、手で扇いでる。

「え?そんなに辛い?」

ゴクッと飲み込んだカズが悲鳴を上げる。

「辛いよっ!何入れたの!?」

「え?そうかな?サトシ、辛いの好きだから、ちょっと多めに入れたけど……。」

マー君も肉を一つ口へ放り込む。

「かっらっ!何これ?なぎささんもサトシも平気!?」

おいらはなぎささんと顔を見合わせる。

「美味しい……けど?」

なぎささんも不思議そうに首を傾げる。

「うそでしょっ!」

カズが、ビールをがぶ飲みし、舌を出して手で扇ぐ。

「これ、ジョロキア?」

木村さんが、舌を出すカズを横目にマー君に聞く。

「はい……美味しい唐辛子だからって言われて。」

「誰によ!」

噛みつきそうなカズの声。

「タイに行った時の現地の料理人。」

「どう考えたって日本人向きの辛さじゃないでしょ!」

ジュン君も新しいビールの缶を開ける。

プシュッと泡が飛ぶ。

その向いで、涼しそうにジュン君のお肉を食べる木村さん。

木村さんも……お肉食べたよね?

「お肉、食べなかったんですか?」

隣に行って、小声で聞く。

「あ、辛い方?」

木村さんがニヤッと笑う。

「匂いがね……危なそうだったから。」

木村さんが持ち上げたお皿には、あのスパイシーな赤茶のタレは付いてない。

「前に食べた時ね、次の日、トイレから出れなくなっちゃったんだよ。」

小声で答えてくれる木村さんは悪戯っ子みたいにクスッと笑う。

さすが、木村さん!

人生の経験値も、食べた物も全然違う!

でも……おいらは美味しかったんだけどな。

なぎささんも……辛いの得意?










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Sunshine (144)

Sunshine(やま)【121~ 】



「才能は、人を引き付ける力。」

木村さんが、そう言いながら蓋の上に炭を乗せる。

この鍋、鉄でできてるから上からも炭で焼けるんだ!

「魅力のある人も作品も、人を惹きつける。」

木村さんがカズを見る。

ショウ君はおいらを見て、おいらもショウ君を見返す。

周りの人を惹きつけてやまない魅力。

おいらのショウ君は誰が見ても魅力的!

それは一種の才能?

才能が魅力?

「じゃ、魅力的な人を被写体にした方が、良い結果が得られるってこと?

 それって自分のこと、魅力的って言ってるだけじゃないの?」

カズが意地悪そうな顔で木村さんを見る。

この間、賞を取った写真のこと?

あの被写体、顔見えなくてもオーラがハンパなかった!

醸し出す雰囲気も優しさで溢れてて。

愛を感じる写真。

愛を映した写真。

「そうじゃないよ。」

木村さんは乗せ終わった炭のバランスを確認しながら答える。

「作品としての魅力がないとね。

 魅力的な人でも、その魅力が伝わらないと作品としての魅力にはならない。ね?」

不満そうなカズの顔!

んふふ、久しぶりに見た。

カズのこういう顔!

何が不満なんだろ。

木村さん、十分カズのこと褒めてると思うけど。

ブスッ垂れたカズが言う。

「自分の魅力は否定しないんだ!」

……あはは、そこ?

それはしょうがいないよね。

木村さんは自信家には見えないけど、自信もあるからここまでやってこれたんだろうし。

「ナリは俺の最大の魅力を知ってるってことだよ。」

木村さんが意味深に笑う。

カズはさらに不満顔。

ショウ君とおいらは顔を見合わせて笑う。

あのカズが子供みたいに拗ねてるとこなんて、滅多に見れない。

特に大人になってからは!

木村さんの言うことはもっともで、木村さんの魅力を良く知ってるカズだから、

あんな素敵な写真が撮れたんだよね。

おいらも今、ショウ君を描いてる。

ショウ君の魅力を一番知ってるのはおいらだって自負はある。

でも、魅力的なショウ君を、さらに魅力的に……は、無理なんじゃない?

「撮る側が感じた魅力をそのまま映せれば……それは作品の魅力じゃない?」

木村さんはトングを置いて、軍手を外す。

その仕草が男っぽくてカッコいい。

けど、木村さんの言葉は……、ん~、難しい。

それは作品の魅力?

被写体やモデルの魅力?

ショウ君を見上げると、ショウ君がニコッと笑う。

「撮る側も被写体も魅力的だから魅力的な作品になるんですよね。

 どちらかが掛けても魅力は半減。

 そして、被写体の魅力に気付けるかどうかは、撮る側の技量なんじゃない?」

さすがショウ君!

木村さんやショウ君の魅力なら、誰だって気づくけど、

そうじゃない道ばたの小石とか、風に揺れる葉っぱとか、

たくさんある中の1個1枚が、絵になるほど魅力的なこともある。

それに気付けるかどうかは作者の感性?経験?

やっぱ、おいらには難し~。

「サトシ君は人を描くことはないの?」

木村さんに聞かれてドキッとする。

今ショウ君を描いてることはまだ誰にも言ってない。

ショウ君にも。

もうちょっと内緒にしてたい。

「描くこともありますけど、イラストの方が多いかな。

 イラストは実在の人物を描くことは少ないから……。

 最近は油もやってないし。」

「残念。君の油、好きなんだよ。

 今度頼んだら描いてもえらえる?」

「もちろん。」

おいらが笑うと木村さんがチラッとカズを見る。

「芸術だからね。脱いでもいいよね。」

「いいんじゃない?あなた、年を感じさせない体してるし。」

か、体って!カズっ!

幼馴染のセリフが生々しくて、思わず赤面。

カズはすましてて、おいらの方が恥ずかしくなるって、どうして!?

「年は余計!それに脱ぐのは俺じゃなくナリだよ?」

「え?私?」

「当たり前だろ?俺が俺の体見て何が楽しい?」

木村さんが楽しそうにクックと笑う。

「ナリの割れた腹筋見ながら一杯やったら、酒が旨くなりそうじゃない?」

近くに置いてあった缶を手に木村さんが笑う。

カズが口を尖らせる。

「私の体なんて、木村さんに比べたら……。」

「5つに腹筋割るんだから、大丈夫。」

木村さんが大きな口を開けて笑って、楽しそうにビールを飲む。

あ、木村さんも知ってるんだ。

カズの5パック!

「いいじゃん、カズの腹筋なんて、小学校以来見たことない!」

ショウ君もカズを横目で見る。

楽しそうで意地悪なショウ君の目!

5人で居る時とはちょっと違うカズの立ち位置。

んふふ、こういうカズ、すっごく可愛い!










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Sunshine (143)

Sunshine(やま)【121~ 】



乾杯すると、スミレさんは野菜を切り出し、隣にいたなぎささんも包丁を手にした。

二人は早速、打ち解けたみたい?

女同士、何か話してはクスクス笑ってる。

ジュン君はその近くで肉を焼き、マー君がタッパを取り出して……。

味付けしてきてくれたの?

さすがマー君!

タッパをジュン君に向け、匂いを嗅いだジュン君が、ちょっと意地悪っぽい顔をして、

マー君を小突く。

照れ臭そうに頭を掻くマー君。

焼けた肉をトングで取って、マー君の方へ差し出すジュン君。

マー君てば、お皿も使わず、トングの下で口を開けてる!

あはは、こういうとこがマー君。

熱そうな肉をトングから食べてる!

『どう?』

『うまっ。』

って声が聞こえてきそう!

実際は肉の焼ける音で聞こえないけど。

ショウ君は木村さんが薪をくべる隣に行き、何か話し掛けてる。

椅子に座る木村さんの隣にしゃがみ込んで見上げる目は、

憧れの先輩を見るみたいなキラキラした目!

んふふ、幾つになっても好奇心旺盛で可愛いショウ君!

そうだよね、いろいろ話して見たくなるよね?

一世を風靡した木村さん。

自分で立ち上げた会社も上場して、今じゃ一流企業。

なのに、早々に引退して悠々自適の生活。

まだまだなんでもできそうな歳だし、できるだけの力もあるのに。

ビールを飲むおいらの隣にカズが来る。

「ショウちゃんがサトシから離れるなんて珍し。」

「そう?」

「そーだよ。ショウちゃん、自分からサトシの隣離れることなんてないもん。」

ビールを飲んでニヤッと笑うカズ。

「そんなことないよ。ショウ君、あっちこっち忙しそうに動いてない?」

高校時代は生徒会と部活で忙しそうだった。

大学でも、あっちこっちで引っ張りだこで。

社会人になってからも、人付き合いは大事にしてた気がする。

飲んで酔っ払って電話かかって来たことも何回かあったし。

きっと接待とかもあったんだろうな。

今だって、取引先とも上手に付き合ってる。

毎朝、休む~って言うわりに、飲んで帰って来ることもあるし、

大学時代の友達とか、仕事関係とか。

後輩からも慕われてて、家に相談に来るくらいだし!

ショウ君は誰が見たって魅力的でできる男だもん。

いつもおいらの隣にいるわけじゃないよ?

「忙しそうにするのは、サトシの隣が空いてないか、サトシが忙しそうな時。

 わかりやすいくらい。」

なんでそう思われちゃってるのかな?

そうでもないのに。

「そんなことないよ。ショウ君はちゃんと大事なことは優先してるよ?」

カズがじっとおいらを見て、ニヤッと笑う。

「サトシにそう思われてるなら、ショウちゃんの計算通り。」

「計算?」

「サトシに負担を感じさせない、重い男だと感じさせない計算。」

まさか!

「まさかと思ったでしょ?

 これだからサトシは心配なんだよ。

 ショウちゃんに浮気されても気付かない!」

「浮気……?」

「まあ、ショウちゃんが浮気なんてしたら、

 よっしゃって手を挙げる人が何人もいると思うけど。」

カズがクスクス笑う。

「気が気じゃなくて、浮気なんかできないか。」

ショウ君に浮気なんかされたら……。

「あれ?浮気されてるかもって思った?」

「ううん、おいら、浮気されても気付かないなと思った。」

だって、ショウ君、完璧に隠しそうだもん。

おいら一生気付かない自信ある!

カズがまたじっとおいらを見る。

「んはは、ショウちゃん、大事なことはちゃんと優先するんでしょ?

 なら大丈夫。ショウちゃんの一番大事なのは、間違いなくサトシだから。」

「ショウ君が浮気してるかもって言ったくせに。」

「浮気してるかもなんて言ってないでしょ?

 浮気されても気付かないって言っただけ。」

カズが、楽しそうに笑う木村さんとショウ君を見る。

「ショウちゃんが心変わりすることはないよ、きっと。

 だから、浮気って言ったんじゃない。

 男だからね、浮気は成り行きで……あるかもしれないじゃん?」

ショウ君が浮気……あるのかな?

「木村さんは……ある?」

カズがちょっとだけ、目を上に向ける。

「さぁ?あの人、モテるから。」

「んふふ、モテそう。」

「浮気も本気もよくわかんないよね。」

「いいの?ヤキモチ焼かない?」

「ヤキモチ?なんで?」

「付き合ってるんでしょ?木村さんと。」

カズがクスクス笑う。

「付き合ってるって言うのかなぁ?」

カズが、木村さんの方へ歩き出す。

「何笑ってんの~!」

カズが二人に話し掛け、おいらも後に続く。

「ナリの話だよ。」

「え?」

「出会った頃のナリが可愛かったって話!」

「嘘でしょ?」

「ほんと!」

いつの間にか椅子に座ってたショウ君も、ビールを飲みながら楽しそうに笑う。

「色白で、茶色の目が宝石みたいで、作るものはピカイチで。

 絶対手に入れてやるって思った。」

木村さんが、おいらとカズの椅子も持って来てくれる。

それを一つ受け取って、ショウ君が隣に並べる。

カズの椅子は木村さんの隣。

4人で半円形で鍋を囲む。

「なんとかウチに入社してもらえた。」

木村さんがクスクス笑う。

その、カズを見る目が優しくて。

顔の皺の一つ一つがカズを愛おしいと思ってるみたいで。

思わずショウ君の顔を見上げると、ショウ君も柔らかい笑顔で小さくうなずく。

絶対、この二人付き合ってるよね?

でなきゃ、こんな雰囲気、出るわけない!










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Author:tepo
アメブロでメインに活動しています。

嵐の大野君が大好きで、山LOVEです♪
腐っているので、ご理解のある方、
また成人女性限定でお願いします。

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 Step and Go
    ↓
  果てない空

の順で続いています。
それぞれでも楽しめるようになっていますが、順番に読むと5人の成長がよりわかるのではないかと思います。

コメント等は受け付けていません。
何かありましたら、
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